新メンバー玉岡・中村・橋本に、なんでSILKに来てくれたのかを聞きました!

2024年10月から新メンバー3人が加わり、SILKのイノベーション・コーディネーターが6人になりました!

「その人がやりたいことの実現のために、SILKを活用してもらえたら」

「今までのSILKをいい意味で壊してほしい」

そんな思いで採用活動を進めていくと、ありがたいことに100人ものご応募をいただき、とっても素敵なメンバーを迎えることができました。これまでにどんな経験を積み、どんなことを感じてSILKに来てくれたのか、勤務初日の3人に聞いてみました。

  • 玉岡 佑理 さん 所属:株式会社Zebras and Company
  • 中村 友美 さん 所属:株式会社taliki
  • 橋本 勇人 さん 所属:橋本経営相談事務所

資本主義の仕組みの中で競争する以外の、新しい選択肢をつくりたい

─ まずは、これまでどんなお仕事をされてきたのかを教えてください!

玉岡:私は Zebras and Company(以下、Z&C)という、ゼブラ企業(※)の支援やゼブラ経営の普及に取り組む会社で働いています。社会性と経済性の両立を目指す企業をサポートしていて、SILKとの共通点が多いので、知り合いから今回の採用のことを教えてもらってすごく興味が湧きました。

もともと児童福祉や教育に興味があって、社会人1年目からプロボノ(※)活動でNPO法人のお手伝いをしていました。その時に、行政や学校、地域の方など、色んなセクターの人が交わって社会課題に取り組むことの大切さを実感したので、今度はSILKで行政の立場から課題に関われたらと思っています。

働くのはZ&Cが3社めで、最初に入社したのはコンサルの会社です。3年半勤める中で、企業が利益を上げて成長することはとても大事だとわかりつつ、それだけが正解ではないとも思うようになっていって。プロボノを経験したりする中で、社会性の高い領域でもちゃんと持続的に経営できるあり方があればと考えるようになりました。

※ ゼブラ企業  … 企業としての利益追求と社会との共存性を重視する企業
※ プロボノ … 社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや経験を活かして取り組むボランティア活動

中村:私もtalikiに入った理由はまさに、社会性と経済性が両立する社会を本気でつくりたいと思ったからなので、めちゃめちゃ共感します。今が3社めっていうのも同じだし。

以前勤めていた大手の事業会社では、効率的な売上向上を一番の目的にすることで、働く人はもちろん、代理店や外部パートナーといった関係者も疲弊しているように感じてしまって。さらに一部の関係先では、無理に消費欲を煽って、消費者が必要以上の購入を促されているような場面もありました。もちろん素敵な会社もたくさんありますが、結果として「win-lose-lose」な歪みの関係が生まれていたように思います。

そうなってしまうのは、資本主義という仕組みの中で戦うしか選択肢がないからだと思うようになりました。既存のビジネスを否定するのではなく、新しいフィールド、新しいものさしが必要だと。

橋本:僕は金融機関で9年働いて今年独立したので、残念ながら3社めじゃないんですけど……。

一同:(笑)

橋本:人の夢が叶ったらいいなと思って、中小企業診断士として経営のお手伝いをしています。世の中には色んな人がいて、実現する夢もあれば、しない場合もある。大学の時から、夢を叶えたいと思っている人を応援したいと思って、起業を目指していました。金融機関では、ソーシャルな企業も、昔ながらの商売をされている企業も、色んな事業を支援させてもらいました。

生まれも育ちも京都なんですけど、僕が小学生の頃に、織物関係の事業をしていた実家が後継者がいなくて廃業したんです。その時に感じたモヤモヤが、地元で企業支援の仕事をするきっかけになったのかなと思います。

─ 橋本さんは大学時代、SILK所長の大室 悦賀さんのゼミ生だったんですよね。大室さんはどんな先生でしたか?

橋本:先生の講義は、何回聞いても2割も理解できなかったです。大学でも、やりたいこと・興味があることを貫いてはりましたね。色んな垣根を壊してきた方ですし、大室先生のもとだったら自由なチャレンジができると思って、SILKに来ました。多様な人が枠を越えて関わり合わないと、まちはおもしろくならないと思うので。

誰かのために働いている人たちを、一番応援したい

─ 皆さんのお話を聞いて、SILKが大切にしていることにフィットする方々と出会えたなぁと、改めて嬉しくなりました。

玉岡:単純に、皆がよりハッピーになったらいいなって思うんです。児童福祉の現場で子どもたちを見ていると、生まれた環境は変えられないし、経済格差も現実的にあります。その中で、一人ひとりが自分の望む人生を歩めるようにお手伝いがしたい。

でも、プロボノ活動を通して、NPO法人の方々がすごい情熱を持って活動しているのに、そこに流れるお金や人が全然足りていないことを知って。ショックを受けました。

一方で、教育事業のスタートアップでは、資金調達をしたことで事業の意思決定の軸が変わっていく過程を目の当たりにして……。経済性以外のものさしがあれば、もっと多様なアプローチができるようになるはずだと思っています。

中村:いや、もう本当に共感しかないです。最初の職場は、周りの人があんまりハッピーに見えなくて、すごく違和感があったんですよね。転職してティール型の組織に入って、そこでは皆がいきいきと働いていて、いいなって思いました。

私自身も仕事はとても楽しかったんですけど、そこでも、本当に実現したいものとは違う気がする……誰に、何の価値を、何のために、どういう方法で届けたいのか、もっといいお金の流れの作り方はないのか、と1〜2年ほど内省を重ねたり、情報収集をしたりしていました。

しばらく悶々とする中で、インパクト投資(※)っていう言葉に出会って、「こういう世界観があったんだ!この仕事がしたい!」と心が動きました。

※ インパクト投資  … 財務的な収益と社会的なインパクトの創出の両方を追求する投資行動

橋本:人って、突き詰めれば、幸せになるために色んな手段を求めているんだと思います。大学時代に大室ゼミでソーシャルビジネスに触れて、誰かのために働いている人たちのかっこよさがすごく印象に残りました。

事業が組織の存在意義になっているし、その人たちの生き様でもあるというか。今もやっぱり、一番応援したいと思うのはそういう企業ですね。

中村:talikiはビジネスで社会課題を解決することに特化しているので、ビジネス以外も含めた解決方法をSILKで模索できたらと思っています。京都は、そのための土壌が豊かですよね。テンプレートではない生き方をしている人、自分の「やりたい」っていう思いをベースに働いて暮らしている人が多くて、びっくりしました。こんなに豊かな大人が、こんなにたくさんいるんだ!って。

橋本:お金を介しての関係性じゃなくて、共感とか応援する気持ちでつながっている感覚はありますね。だからフラットだし、新しいこともやりやすいんだと思います。

玉岡:Z&Cも空気感は似てるかも。仕事の生まれ方がそれまでの会社と違って、驚きました。「やらなきゃ」から始まるんじゃなくて、話しているうちに「やってみよう」って生まれるのが、独特だなぁって。

これを逃すと絶対に後悔すると思って、飛び込みました

─ 普段お仕事をされる中で、自分自身の課題や目標はありますか?

中村:めっちゃあります!社会起業家さんの支援はすごくわくわくするんですけど、経営支援の経験が全くないので、常に「これでいいのか?」と手探りの状況で……自分が言ったことが社会に実装される事業の一部になるので、専門性を高めて、もっと相手のためになる支援をできるようになりたいです。

橋本:ずっと経営の支援をしていますけど、僕も同じですよ。わからないことも次々に出てくるし、でも「やります」って言ってめっちゃ調べて、それの繰り返しです。僕が関わる支援先は、いわゆる普通の中小企業も多いです。ソーシャルにあまり関心がなかった組織が、新規事業として社会をよくするための活動を始めるケースも増えてきたので、そういうサポートをどんどんやっていきたいですね。

もともと皆さん、地域のためにっていう思いを持っておられるので、少し視野を広げると自ずとソーシャルな事業が立ち上がってくるんです。企業の方は自社内で全部やらなければと思いがちなので、他の企業さんや行政の方に協力してもらえるような動きを、一緒につくっていきたいですね。

玉岡:Z&Cでは、企業の規模によって「親ゼブラ」「兄ゼブラ」「子ゼブラ」という呼び方をするんですけど、私は主に親ゼブラ、つまり大企業の支援を担当しています。これから人口減少が進む中で皆さんも危機感を持っていて、ゼブラ企業の皆さんと一緒にイノベーションや共創事業を生み出したいと考えてらっしゃいますね。

色々な課題が顕在化し始めて、「なんとかしないといけない、でもどうしたらいいかわからない」という状況の企業さんが多いと感じます。企業を直接的に支援するだけでなく、支援する人を増やすこと、資金を供給してくれる人を増やすことも私たちの仕事です。金融機関や官公庁とも連携しながら、システムをつくっていこうとしています!

─ 玉岡さんはお住まいも職場も東京ですが、こうして京都に関わっていただきありがたいです。

玉岡:応募の前にSILKの田中さんからお話を伺った時に、「何やってもいいよ」って言われて、具体的なことはよくわからず(笑)。転職してまだ数ヶ月だし、京都出身でもないし、自分に何ができるのかって色々考えたんですけど。これを逃すと絶対に後悔すると思って、飛び込みました!やってみないとわからないし、やってみたらどうにかなるだろうって。

委任式もしました!

─ 初日からたくさんお話しいただいて、疲れましたよね。最後に、皆さんが最近ハマっていることや趣味を教えてください。

橋本:2ヶ月前に子どもが産まれて、最近はひたすら子育てをしてます。

玉岡/中村:おめでとうございます!

橋本:最近「あうー」って声が出るようになって。言葉じゃないけど、会話できている感じがして楽しいですね。泣いてるのをちょっと放置してたら、めっちゃ文句言われます(笑)

中村:まじめな趣味だと、夫と一緒にゆるやかに選書イベントを開催しています。本好きな方もそうでない方も、ぜひお話ししましょう。最近は、XGという日本出身のアーティストのミュージックビデオを寝る前によく見ています。国籍やジャンルにとらわれない、枠からはみ出てやるっていうスタンスが、めちゃくちゃかっこいいです。あと、お酒が好きです!

玉岡:私は今年から生け花を始めたんですけど、想像以上におもしろくて。アートとサイエンスの融合だなって思います。決まった型を習うんだけど、光の当たり方や植物の表情によって、毎回活かし方を変えていったり、奥が深いんですよ。1本1本の草花との出会いを、楽しんでいます。

─ おもしろい。どれももっと聞きたいです。また色々教えてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。新しいメンバーの人となりを、なんとなく感じていただけたでしょうか?

10月4日に初めて全員が集まり、委任式を行いました。そこからミーティング、インタビュー、歓迎会と盛りだくさんの1日で楽しくスタートしておりますが、初めてのことも多く、まだまだ緊張もあるかと思います。イベントやSIGHTS KYOTOで見かけたら、ぜひ声をかけていただけたら嬉しいです。

新しいメンバー共々、これからもSILKをよろしくお願いいたします!

取材・文:柴田 明(SILK)