「これからの1000年を紡ぐ企業認定」をアップデートします!

今年度の「これからの1000年を紡ぐ企業認定」は、昨年新設した「社会・地域貢献部門」と2015年から続けてきた「イノベーション部門」を統合して、募集を行うことになりました。(募集期間:2024.07.18~09.30)

振り返ると、「『これからの1000年を紡ぐ企業認定』のリニューアルと、事業アイデアコンテスト開始への思い」という記事を公開したのが2022年9月。まさか、2年後に再び制度をリニューアルすることになるとは……。もしかしたら、SILKはどうなってるんだ!?と思われる方もいるかもしれません。

これまでと何が変わるのか、なぜ変えるのかを、イノベーション・コーディネーター3名の言葉で皆さんにお伝えできればと思います。

新たな挑戦をするために、当初の役割を終えた制度をアップデートする

石井:「これからの1000年を紡ぐ企業認定」が始まった2015年とは社会の状況が大きく変わり、今回、改めて認定制度が果たすべき役割を考え直しました。一番大きな違いは、今年度からは、これから社会的インパクトを生み出していきたい企業も認定する、という点ですね。

田中:もともとこの認定制度は、京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想の実現に向けて、フラッグシップとなる企業を支援するために生まれました。「こういう企業が社会に必要ですよね」という実例を示す役割が大きかったんです。9年が経って、SDGsが普及し、社会的企業の認知度も上がっている今、過去の実績を評価して審査を行う従来のやり方を根本から見直すべきかもしれない……とはいえ、制度を変えるのは簡単ではないので、何度も議論を重ねました。

井上:京都のまちを見渡すと、社会課題の解決に取り組む企業をサポートするための認証制度や表彰がいくつもできていて。その中で、私たちが今やるべきことは何なのか、という視点もありました。

石井:これからの京都を考えると、フラッグシップを認定した次のステップとして、裾野を広げていく必要があると思っています。従来の認定基準はかなりハードルが高かったので、広がり方に限界があって。

井上:発展途上の、まさに今変わってきてこれから結果が出る企業が、審査を通過できない。そういうもどかしさもありましたね。

田中:一方で、イノベーション部門の全7回・34社の認定企業さんに伴走支援させてもらえたことは、すごく意義があったと思います。僕たちが関わっていないところでも、認定企業同士のコラボレーションが多数生まれていて。企業さん同士が学び合う場ができていることが、嬉しいですね。

2024年5月、認定授与式後の座談会の様子

石井:なかなか伝わらないのが、この認定は1000年後まで続く企業を認定するんじゃないということ。1000年先の未来を京都のまちが紡いでいくために、今、社会に必要な取組を応援するための制度です!って、もっと言い続けないといけないなと思います。

田中:そうそう。それぞれの企業が何年続くか、という話ではなくて。このままだと、社会そのものが1000年先まで保たないんじゃないかという危機感が前提にあります。

個別支援から、京都という面での支援へ

田中:SILKの運営母体がASTEM(京都高度技術研究所)から京都市に移行して、現場の体制も変わって、色々なことを改めて考えたよね。企業支援のあり方も見直して、個別の支援ではなく、面での支援を意識するようになりました。個別の事業相談は、やってくれる民間企業や他の支援機関が増えたから、もう僕らがやる必要はないんです。僕らは、SILKだから、京都市だからできることを、やらないといけない。

石井:今年度から意識しているのが、たくさんある産業支援機関のハブになること。色々な支援があるので、事業のフェーズによって必要なサービスにつながるよう、横串をさせるといいですよね。それぞれが点で支援している状況から、京都という面での支援に広げていきたいです。

井上:個人・企業・NGO・政府をつなぐプラットフォーム機能によって、被災者と難民の支援を行うNPO法人が東京にあるんですけど、間にいる存在という点がSILKが目指す姿に近いと思います。

支援を受けたい課題が具体的になる手前の、抽象度の高いモヤモヤを解いていくところからお手伝いできるといいな。自分たちの存在意義は何なのか誰にどんな貢献ができるといいのか、から事業を考え直す企業さんも多いですよね。これから変えていこうという、一番揺らぐ時期だと思うので。

石井:企業支援を中心にこれまでやってきたけど、これからは支援対象を企業に絞らず、個人や任意団体の方々も含め、やりたいことを応援する立場でいたいって話を最近してますよね。

田中:SILK自体も時代に合わせてかたちを変えていて、今年度は今まで出会ってこなかった人とも出会えていて。全体を見られる存在になろうっていうのは、僕たちにとっても新しい挑戦ですね。

石井:KPIを設定せず、支援メニューも持たないSILKが、唯一やり続けてきたのがこの「これからの1000年を紡ぐ企業認定」。今回のアップデートで、この認定が入り口になって、皆で持続可能な社会をつくっていこうという動きを広げていけたらと思います!

「これからの1000年を紡ぐ企業認定」募集について

募集期間令和6年 7月 18日 (木) ~ 9月 30日 (月)
応募要件など詳しくは京都市のページをご覧ください。
「これからの1000年を紡ぐ企業認定」対象事業者の募集開始について
応募方法下記のオンライン申請フォームから申請してください。
申請フォーム

↑募集フライヤー(pdfが開きます)

取材・文:柴田 明(SILK)