[社会・地域貢献部門]
2023年度認定
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経営理念
私たちは商品・サービスを通じて、すべての人々(お客様、パートナー、スタッフ)と感動・喜びを共有します。
1.経営理念=Vision
当社は「私たちは商品・サービスを通じて、すべての人々(お客様、パートナー、スタッフ)と感動・喜びを共有します。」を経営理念とし、(1)ひとりひとりが日々、自己研鑽に努め、ホスピタリティーを高めます。(2)困難な課題にもチャレンジ精神を持って立ち向かいます。(3)対応品質、人間力、すべてにおいてベストパフォーマンスを発揮します。この3つの行動指針を掲げております。この経営理念・Visionの基本的な考え方は近江商人の「三方よしの精神」となります。
近江商人の基本理念である「三方よしの精神」(売り手よし・買い手よし・世間よし)を理解し、事業運営や企業経営、私たちのすべての社会活動のベースとなるものとして、社員ひとりひとりが個人として、良き企業人・社会人として、常に意識し行動を行います。
2.方針・考え=Value
この経営理念・Visionを実現していく中で大事にする価値観(=Value)は次のとおり。
『すべての人々と感動・喜びを共有し、新たな価値を創造するのは人材=人財である。私たちは、一人ひとりの人材=人財と4つのP「Performance」「Passion」「Partnership」「Personality」を大切にします。』
■Performance : お客様、パートナー、社会に対しての”Best Performance”
■Passion : 行動の原動力はひとりひとりの”Passion(情熱)”
■Partnership : チーム「東五六」の一員としての”Partnership”
■Personality : 企業人・社会人・個人としての”Personality”の形成・醸成 -
社会課題の解決
伝統の継承と技術革新に繋がるべく、異業種との協業や産学連携事業に取り組んでいます
伝統工芸品である『京焼・清水焼』の生産量減少、職人や販売の担い手の減少克服に向けた取り組みを実施。
京都の伝統工芸品『京焼・清水焼』のみならず伝統工芸品・陶磁器業界全体は縮小傾向にあります。生活用陶器の需要は、ペットボトル飲料の普及により急須でお茶を注ぐ機会が減ったように食生活の簡略化や中食・外食の増加等食文化や生活様式の変化、廉価な大量生産品の流入による生活雑貨の飽和状態などの様々な理由から減少しております。
需要減少による影響で生産者も減少しており、特に後継者不足は大きな問題で有り、職人や窯元が減少していくことは熟練の心と技の伝承が途絶えようとしていることを意味し、伝統文化の後退に繋がると捉えることが出来ます。これは良いものを作っても、正当に評価されにくくなってきている時代であるとも言え、高度な技術や経験を伝える機会がなくなれば、自ずと若い弟子や後継者に伝える事が出来ず、衰退していくということとなります。
上述の社会課題の解決は簡単なことではありませんが、当社としてもこの課題の克服を少しでも出来ればと考え、『京焼・清水焼』の認知度向上・ブランド化への取り組みを行っております。
── どのような取組をしていますか?
伝統工芸品である『京焼・清水焼』の伝統の継承と技術革新に繋がるべく、異業種との協業や産学連携事業などを通じて、新たな価値創造に取り組んでいます。
具体的な取り組みとして、京焼・清水焼の食器や花器・オブジェ等の既製品の販売だけでなく、京焼・清水焼の伝統技術を用いたインテリア素材の開発、海外の生活様式に合わせた商品開発(ローカライズ商品開発)等を行い、伝統工芸品のグローバル対応を推進、職人や陶芸家と共に伝統技術のアップデートとなる取り組みを行っております。
また、産学連携のモノづくり事業では、既成概念に捕らわれない学生のアイデアを聞くことで、私達や職人は新たな気付きを得ることが出来、その気付きを実現する為の技術革新に取り組むことが出来ます。
── どのような成果が生まれていますか?
インテリア素材開発や海外向け商品開発、産学連携商品を企画することで、縮小傾向にある既存ビジネス領域に新たな生産ラインを準備することが出来、窯元や職人、陶芸家への注文(生産)が可能となりました。【雇用の創出】
また、伝統工芸品が国内や海外で注目されるようにインテリア素材として、アートパネルを製作したり、海外の生活様式に合わせた商材を作ることで新たな需要の発掘、陶芸ファン・顧客の獲得に繋げています。【販路の拡大】
新たな価値創造に挑戦することは、作り手の生産革新や新しいビジネスチャンスの獲得に繋がり、つまりは『京焼・清水焼』の伝統の継承と技術革新、陶磁器業界の発展に貢献していると考えております。 -
従業員・顧客・取引先への配慮
柔軟な勤務が可能な環境となるよう就業形態を見直し
2020年11月、「三方良し」の精神をベースとして、当社及び当社スタッフの一人ひとりがどうなりたいかを目指す姿(=ビジョン)、ビジョンを実現していく上で大事にする価値観(=バリュー)を設定。ひとりの組織人、ひとりの社会人としての成長目標を掲げ、全員が明るく・楽しく・プロとして厳しく、仕事に責任を持ち、やりがいを感じ、心身ともに健康で充実した日々を過ごせるよう中長期的な夢を持った経営計画を「東五六 中期経営“夢”計画(5ヵ年計画)」(「知恵の経営」報告書)として作成、従業員や関係者と共有。この中期経営”夢”計画が、行動の基本となっており、現在、計画3年目である。
コロナ禍においては働きやすい労働環境へと改善を行う為、休暇取得が行いやすい環境、柔軟な勤務が可能な環境となるよう就業形態の見直しを行った。また、従業員が積極的に自己啓発に励むことが可能となるよう定期的な社外研修参加を業務計画を組み込んで事業運営を行っている。 -
地域社会への配慮
伝統工芸品のグローバル対応と新しい価値創造を推進
【地産地消の推進】:『京焼・清水焼』の認知度を日本国内・海外で高める為に、オリジナル商品開発やインテリア素材開発、海外生活様式に合わせた商品開発(ローカライズ商品)等を行い、伝統工芸品のグローバル対応を推進している。
【地域への参画】:「こども110番の家」への登録、避難場所登録、清掃活動への参加等。地域住民の理解と協力があってこそ商売が出来るという認識のもと、毎朝清掃活動を行い地域のクリンリネスと地域住民とのコミュニケーションを大切にしている。
【その他】:京都美術工芸大学のプロジェクト演習に参加。京焼・清水焼についてのブランディングや商品開発を学生主導で行い、学生には伝統産業という職業を学ぶ機会を提供、職人には若年層世代の目線でのもの作りの考え方や新しい気付きを得る場を設け、伝統産業の新しい価値創造に取り組んでいる。 -
環境(未来の社会)への配慮
外部専門機関へ省エネルギー診断を依頼
【温暖化対策・2050年CO2排出量正味ゼロへの取組】【廃棄物等の適正な管理、再利用、再資源化】【環境教育・学習の推進】:外部専門機関へ省エネルギー診断を依頼。照明のLED化、省エネ家電への切り替え・省電力化等、改善指摘事項の対応を実施。廃棄物の再利用や再資源化、環境教育・学習の推進については、自治体や行政が発行している冊子や通達の社内共有を実施。
【文化の継承・発展】:京焼・清水焼の歴史・文化発信イベント「わん碗ONE」(毎年11月)の運営に第一回(平成24年)より参加。京焼・清水焼や茶文化等の歴史・背景・魅力の発信を行っている。平成31年からは当社店舗スペースの一部を活用し、150名以上の京都在住の陶芸家の抹茶碗展示を行っている。京焼・清水焼の認知度アップ、陶芸家の認知度アップ、文化の伝承を目的としたイベントに参画することで、伝統の継承と発展に貢献していると考えている。(わん碗ONE概要:https://vessel.kyoto/11110/about/)
【情報開示】:京都観光行動基準(京都観光モラル)を店舗・事務所に掲示、行動基準に沿った取り組みを推進している。