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経営理念
京都からアートへつながり、毎日をちょっと愉しく
ビジョン:京都からアートへつながり、毎日をちょっと愉しく
ミッション:感性のアトリエとなり、彩あふれる日々の創造をサポートする
バリュー:創造しよう、思い出に残る感動とありがとうを
創造しよう、前向きに変化し行動する自分を
創造しよう、対話と連携で最高のチームワークを
想造しよう、次の100年も愛され続けるブランドを -
社会課題の解決
画材を扱う会社として、アートに気軽に触れて創造性を育む場所を提供する
『VUCA時代』と言われる世の中の変化を予測しにくく先行き不透明なことが社会課題となっています。
その社会課題を打破するためにアートが着目されています。
過去5~10年間において、『アート思考』や『STEAM教育』という言葉がビジネス書や教育論の中で語られています。
これらはアーティストがアートを生み出す過程で用いる特有の認知的活動や数理的思考量を重視したSTEM教育が限界を迎えAIでは難しい創造力を伸ばすためにアートから創造性を学びイノベーションを起こすというものです。
この様に世界的に見てアートを学ぶ機運が高まり文部科学省が2019年4月STEAM教育の推進を述べました。
しかし中学校の授業時間はSTEAMのScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Mathematics(数学)といった教科はそれぞれ年間100~150時間ほどあるにも関わらずArt(芸術・リベラルアーツ)は30~40時間ほどしかありません。
弊社は減り続ける学校での機会を、画材を扱う会社としてアートに気軽に触れて創造性を育む場所を提供することが必要と考えています。
── どのような取組をしていますか?
1) アートフェスティバルの開催
2018年から京都の美術大学生と共に年に一度アートフェスティバルを開催しています。上記で述べたように学校でのアートとのタッチポイントが少なくなることで興味関心がなくなっていくことを危惧しているためです。広く公共の場でイベントを開催することでタッチポイントを増やし興味を持ってもらうことでその課題が解決できると考えています。
また学生と共に企画運営をする中でアートを創るだけではなく、それが社会に対してどんな反応が起こるかを体感してもらっています。
2) 絵画教室やワークショップの運営
絵を描くことやものづくりに興味があっても学校や個人では中々深掘りすることが出来ないのが課題です。弊社では絵画教室やワークショップを運営することでその課題を解決しています。絵画教室やワークショップでは未就学児からシニアまで幅広い年代の方が受講しています。プロのアーティストが講師につき、それぞれにスキルに合わせて専門技法を学ぶことができます。こども向けオンラインアートスクールを令和6年1月よりスタートさせます。このスクールでは描写のスキルアップを目的とせずこどもの持つ感性をそのまま伸ばし続けることをコンセプトにし京都だけでなく日本中に発信できる取り組みを開始します。
── どのような成果が生まれていますか?
1)アートフェスティバルの実施では計6度の開催で累計1万人以上の来場者と出展者があります。公共の場での開催であることから意図せずにアートに触れること、そしてその回数が増えることで創造性を育む素地となっています。また学生作家や出展者も累計300組ほどの発表の場にもなっています。
2)絵画教室は現在17の講座があり100名以上が定期的に受講されています。またワークショップは昨年1年間で38の講座を開催し合計300名近い人数に受講頂きました。ワークショップは様々なジャンルのものを実施しています。例えば夏休みには小学生向けの貯金箱をつくるワークショップを開催しています。これは『ゆうちょアイデア貯金箱コンクール』の企画に合わせて実施し、毎年小学校を通じて出品してもらっています。その中で過去に数名入賞者も出ています。
またそれ以外にも金継やアニメーション背景のワークショップではプロの講師をお迎えしているので体験はもちろんその職業に進みたいと希望される学生さんが参加され進路相談をされるなど学校で補うことのできない部分を補完する役割を果たせたと考えています。 -
従業員・顧客・取引先への配慮
スタッフのアーティスト活動・リスキリングを支援
【働きやすい労働環境の整備】
正社員、パート社員関わらずアーティスト活動を支援するために個展など展示発表の前後で短期・長期の休みにもシフト調整や有休休暇の対応で支援しています。また要望があれば搬入・搬出など大型作品の運搬に社用車の貸出を行い支出負担を軽減するための支援を行っています。
【人材育成】
リスキリングの支援として新規事業開発における「デザイン思考」「アセットの共有として企業概要と現状の深掘り」「ペルソナの設定に関して」などの研修を実施し新たなスキル習得への支援を実施しています。 -
地域社会への配慮
毎年アートフェスティバルを開催し、展示やマルシェ、体験の場を創出
【地産地消の推進】
1)額装マット紙の端材をアップサイクルしたアロマブランド「artme」では京都産の材料を使用しています。具体的にはアロマオイルでは京都産の柚子オイル・黒文字オイル・北山スギオイルを使用。また器には清水焼のオリジナルデザインの器を採用しています。
またスティックのデザインは美術大学と連携し学生コンペを実施。京都の美術大学生とのコラボで商品開発を行っています。
【地域への参画】
1)美術大学への支援を目的に寄付を実施。今年度は京都精華大学と京都市立芸術大学への寄付を行っています。
2)若手アーティストへの支援と京都のアートシーンの活性化を目的に毎年アートフェスティバルを開催しています。2023年は立誠ヒューリックホールと立誠ガーデンにて「アートフェスティバルBORDER!2023」を11/25に開催しました。
美大生や若手アーティストへの展示の機会を創出。6名の大学生のライブペイントや約40組のマルシェの出展。参加型アートでは地域の来場者に自由に描いてもらい共にアート作品を作る体験をして頂きました。
https://borderfes.art/ -
環境(未来の社会)への配慮
学生とコラボし、端材をアップサイクルしたアロマブランドを開発
【廃棄物等の適正な管理、再利用、再資源化】
廃棄物の再利用
1)絵画作品を額装する際に出る額装マット紙の端材をアロマディフューザーのスティックにアップサイクルし「artme」ブランドで発売しています。額装マット紙とは絵画作品を保護するための台紙とし美術館など長期保存に用いられるものです。これまでは端材を廃棄していましたが、アロマ用リードへの転用することでゴミの発生抑制に貢献しています。
https://shop.gwasendo.com/?mode=f15
2)「100年後の工芸の姿を共につくる。」をコンセプトに活動されている「KOGEI Next」。その取り組みの一つで廃棄される真珠の粉を陶芸の釉薬として使用しアート作品をつくるプロジェクトに協力させて頂きました。
https://kogei-next.jp/
廃棄物の適正な管理
1)額縁は1本の長い棹から必要な長さを切り出して制作しますが、その制作過程に置いて既製品の長さで切り出せない棹を利用して「ミニ額」として材料を余すことなく使用する商品も販売しています。
【地域ぐるみでの子育て支援】
週に3日こども向けの絵画教室を開講しアートに触れる体験を生み出しています。
夏休みはこども向けの工作教室や油絵体験などを実施し学校で触れない画材にも触れてもらう機会を作っています。
【文化の継承・発展】
1)日本古来から使用されている画材に着目しそれを未来のつくり手につないでいくことを目的に弊社HP内に「画材図録」というコンテンツを作成しています。日本画で使われる「麻紙」「胡粉」木版画で使われる「ばれん」の制作現場を取材し、画材の制作工程やつくり手の想いを伝えるコンテンツです。
https://gwasendo.com/archive/
またこのコンテンツは弊社HP内だけでなく京都女子大学生活デザイン研究所との連携によりGoogle Arts & Cultureでも公開されています。
胡粉:https://artsandculture.google.com/story/1gVxdULy3vvoLw?hl=ja
ばれん:https://artsandculture.google.com/story/7wWRpOzp7QciLw?hl=ja
2)ワークショップの開催
画材販売以外にも体験教室を定期的に開催しています。
メジャーではない技法の体験として「テンペラ」や「リトグラフ」を応用した技法のワークショップを過去に開催しています。また「金継」など伝統工芸を絡めたワークショップも開催しています。