[社会・地域貢献部門]
2023年度認定
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経営理念
自らの技術により生み出し、自らの力により世に出し、自らの開拓により顧客を得る。その源泉は、独立独歩の精神と独自の技術である。
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社会課題の解決
食品による健康増進に貢献し、社会に価値を提供していきます
当社の主要な取り組みの一つは、食品の機能性と安全性の向上です。近年、健康志向が高まり、食品の機能性を求める傾向があります。しかし、現在の機能性食品の評価は、製品自体が消費者の期待する機能を持っているかどうかは明確ではありません。
昨年、消費者庁が機能性表示食品の科学的根拠に関して措置命令を出したこともあり、企業としても顧客への責任を考えると、最終製品そのものが訴求する機能を確実に保持しているかという問題を解決したいというニーズがあります。しかし、費用や期間の制約があります。
そのため、弊社では食品や化粧品の機能性を立証するライフサイエンス事業を立ち上げました。
── どのような取組をしていますか?
ライフサイエンス事業部では、食品や素材、化粧品などの機能性を立証する取り組みを開始しました。
具体的には、自律神経活動を直接計測する電気生理学測定の機器を導入し、成分摂取による生理変化を実測しています。
この技術を使用することで、短時間で成分素材の探索や定量が可能になります。他社が長期間かけて得るデータを短時間で取得できるのが、当社の強みとなっています。さらに、実験結果に基づいて製品の配合方法や効果を提案し、コンサルティングを行っています。
── どのような成果が生まれていますか?
これまでの共同研究により、製品開発において強固なエビデンスを得ることができ、市販される製品の品質向上に寄与しています。
企業からは「短期間で正確に、またヒト試験では解明することが不可能である作用機序などのメカニズムまで探索できる」ということで非常に喜ばれています。
今後も、製品を使用した科学実験を行い、市場に質の高いサービスを提供していくことに取り組んでいきます。
また、この取り組みを通じて食品による健康増進に貢献し、社会に価値を提供していきます。 -
従業員・顧客・取引先への配慮
多様なステークホルダーとの適切な協同に取り組んでいます
・企業経営において、従業員、取引先、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの適切な協同に取り組んでいます。
・食品安全方針を三重工場に張り出し発信しています。また、自社の労働環境保全や人権遵守の取組を取引先にも啓蒙し、サプライチェーン全体で底上げを図っています。
・労働安全衛生会議を毎月実施し、安全で衛生的な労働環境の整備を、社員全員で取り組んでいます。
・人権方針を定めています。コンプライアンス委員会を設置し、各種ハラスメントの防止体制を構築しています。 -
地域社会への配慮
食品や素材、化粧品などの機能性を立証する取り組みを開始
・ライフサイエンス事業部では、食品や素材、化粧品などの機能性を立証する取り組みを開始しました。これまでの共同研究により、大手企業が製品開発において強固なエビデンスを得ることができ、市販される製品の品質向上に寄与しています。
・地元企業の看板商品であるお茶の効能を科学的に裏付けし、さらなるブランド向上に貢献しています。 -
環境(未来の社会)への配慮
食品を守る効果を持った商品の開発が、フードロスの削減につながる
・各国・地域の環境に関する規則及び国際条約を守っています。
・国際条約又は法規制で禁止されている化学物質等は使用していません。
・一般廃棄物(産廃は無し)-排気・排水は適正に管理し、環境汚染防止に努めています。
・事業が環境に与える影響を適切に掌握しています。
・LED化により電気使用量の削減、社用車のエコカーへの切り替えを進め、二酸化炭素排出量の削減に努めています。
・環境に優しい技術の開発と普及に努めています。
・食品の見た目やおいしさを高めつつ、食品を守る効果を持った商品を開発しています。
製造時や輸送時に発生する破損を防ぐことで、製造効率を向上させ、間接的にフードロスを減らしています。
〇「マルトマイン」
艶を出す低甘味食品素材です。見た目のおいしさを高める以外に、「吸湿・潮解性の改善」「商品のベタつき防止」「ひび割れ防止」といった食品を守る効果、「コクの付与」「粘度の調節」「増量剤としての利用」という味覚と製造効率の向上を、併せ持っています。
〇「アラレラック」
食品素材で作られた食品用接着剤です。速乾性が高く、熱風乾燥のコストや時間の軽減に寄与します。また、工程が減ることで破損によるロスも減らせます。
〇「キープホイップ」
起泡力だけではなく、粘稠性や被膜性にも優れた低甘味食品素材です。「輸送による崩れ防止」「食品の形状保持」「食品の表面コーティング」「艶の付与」「酸化防止・香りの保持」といった効果をもたらします。