認定企業による、認定企業のための交流会。〜「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の楽しみ方〜

認定企業になったけど、どういうことが出来るのか、 どんな可能性があるのか分からない。認定企業同士の横のつながりを作る機会がない。
今まで、認定企業が集まる場への参加を躊躇されてきた方も多いのではと思います。
認定企業の制度が出来て、約10年。 改めて、「これからの1000年を紡ぐ企業認定」認定企業の活用の仕方を、 交流しながら、皆さんと一緒に、探りたいと考えています。
会社とそこに属しているスタッフという前提はありつつも、 年代や部署だったり、会社の垣根を超えて、 公私共にゆるやかにつながり、楽しみながら、 何かが生まれ出てくるような コミュニティにして行けたらと考えています。
これからの1000年を紡ぐ、活き活きと、 おもろい京都を皆で作っていきましょう。
こんな呼びかけでなごやかに始まった、「第0回 認定企業交流会(仮)」。実はこのイベント、主催者はSILKではありません。2024年に認定された株式会社アグティの齊藤さんが、「もっと交流できる場をつくりましょうよ!」と声をあげてくれたのがきっかけでした。
SOU-MU NIGHTやACWA BASEなどで交流があった有限会社シサム工房の村上さん、株式会社おいかぜの園田さんと企画チームが立ち上がり、運営をお任せすることに。SILKのパートナーとして活動する私も、仲間に入れてもらいました。

「SILKの支援って、どんなことしてるんやろう?」
「何でも相談してくださいって言われると、逆に何を相談していいのかわからない」
認定企業の数が100社を超え、SILKのコーディネーターが全ての企業さんと密にコミュニケーションを取るのが難しくなってきた今、そんなふうに感じていた方も少なくないと思います。
「第0回」と名付けられたこの日は、認定企業の皆さんとSILKのメンバーが入り混じり、これからどんなことができるのかを皆で考える場になりました。

地域で活躍する若者を増やすには?
前半は、事例紹介の時間です。京都市の宮原さんからSILKの活動を紹介した後に、2つの異なる視点から「これからの1000年を紡ぐ企業認定」が語られました。お話ししてくれたのは、
- 若者の視点で認定企業に関わってくれているハナヲタバネル 大谷 穂高 さん
- 認定企業歴10年の IKEUCHI ORGANIC 益田 晴子 さん
のお二人。想像以上に心に刺さるエピソードが満載だったのですが、なかでも強烈だったのが
「残酷なほどに、若い人たちは地域の企業のことを全く知りません」
という大谷さんの言葉です。

ご自身もZ世代で、大学生の方々と一緒に活動している彼のプレゼンは、なんとなく気づいていた事実を私たちに思いっきり突きつけてくれたのです。
「僕は数年前から地域に興味を持ち始めて、色々な場に参加するようになったのですが、同世代が全然いないことに驚きました。若者は来ちゃいけなかったのかな、と思ってしまうくらい」
大谷さんは昨年から、大学生の方々と認定企業を取材してまわり、instagramとnoteで発信をしてくれています。もともと地域に興味がない学生の方々を、彼女たちの興味関心をベースに企業やまちの活動に巻き込んでくれる、なんとも稀有な存在なのです。
“大人視点”で作られたコンテンツが溢れる中で、学生さんたちが捉えてくれた認定企業さんの姿は、新鮮な輝きを放っています。


認定企業になって、同じ思いで一緒にがんばれる仲間ができました
「これからの1000年を紡ぐ企業認定」第1回認定企業であるIKEUCHI ORGANIC 株式会社の益田さんは、SILKにとってファミリーの一員のような存在です。京都に初出店された2014年から、SILKの前身の組織も含め支援の機会をたくさんいただき、認定企業同士のコラボレーションもたくさん実現してこられました。
愛媛県今治市に本社があるIKEUCHIさん。オープンしてからの1〜2年は、京都で新しく商売を始める難しさを痛感したと言います。
「どうやったらお店に来てもらえるんだろうって悩んでいた時に、大室先生に言われたんです。せっかく場所があるんだから、イベントをどんどんやったらいいんじゃない、って」


イベントの企画運営に伴走したり、コロナ禍ではZoomを使ったライブコマースのトライアルにSILKメンバーが参加したりと、数々の取り組みをご一緒してきました。
昨年秋には京都ストア10周年を記念して、認定企業の皆さまをご招待して「認定企業とSILKで考えるこれからの10年」をテーマにイベントを開催。ちょうど今回の交流会の企画がスタートした頃でした。
所長の大室と益田さんがこれまでの10年を振り返る中で、二人が思わず目に涙を浮かべる場面も。オーガニックコットンのタオルに囲まれた空間で、認定企業の皆さんと色々な話をしました。




認定企業やSILKとの取組を、笑顔でどんどん紹介してくださる益田さん。新しく認定された企業さんからも
「SILKに相談してみようと思いました」
「うちもイベントをやっていきたいので、もっと話を聞きたいです!」
などの声をいただき、この日さっそく企業さん同士でコラボレーションのアイディアも生まれたそうです。

企業と企業ではなく、個人と個人のつながりから始まる
後半は、「認定企業のコミュニティでどんなことをしていきたいか」をグループで対話する時間に。
お互いの事業のことをもっと知りたい
今度は飲みながら話すのもいいね
認定企業を見学してまわりたい
なんど、色々なやりたいことが出てきました。


10年前にSILKの誕生と共に始まった、「これからの1000年を紡ぐ企業認定」。時代の流れとともに、認定制度のあり方も、SILKの役割も、少しずつアップデートを繰り返してきました。
その中で、認定企業支援の方法についても話し合う機会が多々ありました。最近は、企業数の増加や他の支援機関の社会的企業へのサポートが充実してきたことを受け、面での支援を意識するように。SILKが京都の産業支援機関のハブとなって、各社の状況に応じた支援をコーディネートできればと考えています。

「それぞれが企業の名前を背負ってはいるけれど、新しいものが生まれるのは、個人と個人のつながりからだと思います。この集まりも、参加者と企画者を分けずに皆でつくっていきましょう」
そんな言葉で締められた、「第0回 認定企業交流会(仮)」。次はいつどこで開催されるのか、この会のネーミングはどうなるのか、まだ何も決まっていませんので、一緒に考えてくださる方はぜひお声がけください。
前向きな言葉にあふれた楽しい時間でした。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
写真・文:柴田 明(SILK)







