コーディネーター山中・コンシェルジュ杉原が、SILKを卒業しました。
桜の開花とともに、別れと出会いの季節がやってきました。この春、SILKを旅立つことになったイノベーション・コーディネーター 山中 はるな とコンシェルジュ 杉原 恵 より皆さまにご挨拶をさせていただきます。
山中 はるな
イノベーション・コーディネーター
── SILKで過ごした5年間はいかがでしたか?
嵐のような日々でした。今まで、市民活動、一般企業、NPO、社会起業家、行政と、様々なセクターを渡ってきたのですが、それらすべの経験を総動員して、自分自信を何度も何度もブラッシュアップして、がっつり組んで格闘して投げ飛ばされて、また掴みかかって…みたいな日々でした(笑)。
1800人以上の方と出会い、その中で、教えて頂いたり、ご相談にのったり、お繋ぎしたり、アイデアを出しあったり、共通の目的に向かって努力したり、新しい価値をつくったりと、たくさんの得難い経験をさせていただきました。
また、社会的企業やサステナブルな社会を目指す方々との出会いで、自分の考え方やライフスタイルも大きく変わった五年でした。
── 今後どんなことにチャレンジされるのか教えてください!
宮崎県延岡市に引っ越しました!これからどうするか、明確に決めてません。心の向くまま、いろんなことにチャレンジしようかと思っています。
自分に合ってる生き方とは、目的に向かって一直線に進む生き方ではなく、ピンと来る方に向かって行って、ある時振り返ってみたら大きな流れができてる、っていう生き方だと思うんです。なので、今自分の見えている狭い視野の中で決めずに、自分の感覚を信じて模索していきたいと思います。とりあえず、サーフィン始めます!(笑)
── みなさんにメッセージをお願いします!
世の中のことや自分の街のこと、様々な社会的課題に対して、傍観者でいるのか、主体的に関わっていくのかで、人生は大きく変わると思います。利他の心が人間を幸せにすることは多くの研究でも明らかになっていますが、SILKでの日々はそれを実感する出会いに溢れた毎日でした。ご自身の生い立ちやライフイベントの中でぶつかった社会的課題やモヤモヤを放ったらかしにせず、自分ごととして関わり、解決を目指し、ソーシャルイノベーションをおこす、美しい生き方をされている方にたくさんお会いすることができたのは私の人生の財産です。
このような機会を与えて下さった方々、つたない私をご指導下さった皆さま、5年間お付き合い下さったすべての方に感謝の気持ちをお伝えしたいです。本当にありがとうございました。
宮崎に引っ越しても京都にも帰ってきますので、また遊んでください!これからもよろしくお願いします!
杉原 惠
コンシェルジュ
── SILKで過ごした4年間はいかがでしたか?
期間としてはあっという間の4年でしたが、深い4年間でした。凝り固まった常識がガツンガツンと壊されて、「これでいいんや」と自分の生き方が楽になる場所でした。デスクは、ロの字型に配置され、遊ぶように働く人たちがそこにいて、衝撃的だったのを覚えています。また、常勤の職員はチーフ・コンシェルジュの川勝さんのみで、その他のスタッフは非常勤で自分の得意なことを進めていく働き方がとても新鮮でした。
この4年間で、京都市で活躍しているプレーヤーの人たちに沢山出会って、いつの間にか自分も「変わった働き方」をするようになりました(笑)。子どもや自分自身のライフスタイルの変化に合わせて勤務日数や勤務時間を変えてもらい、理解をしてもらえたことで、働くことを止めずにここまでくることができました。自身が充実した環境で働けていることを感謝すると同時に、周りの子育て中の方々が、働くことと生きることのバランスが取れずに悩んでいる姿が気になりました。
自分もかつて感じていたモヤモヤを、周りの身近な人たちも感じていることにどうしたらいいのかを考えていた時、私にとって視点の転換ができたと言えることが起きました。私は、コンシェルジュという立場でありながらも面白そうな取り組みにはすぐに食いついて、コーディネーターと一緒に事業者さんに会いに行ったり、お困りごとに対して一緒に取り組んだりする機会をもらっていました。京都市北区にある新大宮広場の立ち上げメンバーとしてSILKから参加しましたが、まさに私が今生活をしている地域です。
100坪の更地を、地域のために何かしたい!というオーナーさんの下、大学の先生や経営者、地域の面白い大人たちが集まりゼロからプロジェクトがスタートしました。その時、SILKのスタッフとして参加していたプロジェクトが、いつの間にか「自分が生きていくまちについて考える」という意識に変わっていました。一気に、自分ごとになったのです。自分ごとになると、人は考えることに本気になるし、誰に強制されるでもなく、素直な気持ちで自然と行動が変わってくるということを身をもって感じました。そうなると、関わることが楽しくて仕方なかったですし、そこで暮らす者としてもっと地域の人を巻き込みたい、という欲まで出てきました(笑)。
きっとこの時に、「仕事だから」とか、「自分はSILKの人間だから」という気持ちしかなければ、こんなに楽しく取り組むことはできなかったと思います。この一連の経験が、私の中で今までずっと答えが出なかった問いの一つの答えになり、今の自分に繋がる自信にもなりました。あの時、デスクワークを主とする私に、SILKの事務所を飛び出して面白いことしてきて!!と言って押し出してくださった皆さんには本当に感謝しています。
当初感じていたモヤモヤがこれを機に晴れていくのを実感し、周りでモヤモヤしている方々にも自分ごとになってもらうことが「イキイキ」に繋がることを実感してもらう他ない、と思い今の活動を本格的に進めるきっかけになりました。
── 今後どんなことにチャレンジされるのか教えてください!
【信頼と誠実】を軸に、家族との時間を大切にしながら、自分を活かして生きることができる社会づくりにチャレンジしたいと思っています。2020年4月に一般社団法人 my turn(マイターン)としてスタートします。メンバーは京都、愛知、大阪、三重で活動する子育て中のお母さんたちです。好きなことを仕事にしながら、日々の小さなモヤモヤも抱えつつ、でも自分が笑顔でいたいという想いで、それぞれの場所でそれぞれのスキルで本気で社会を変えたいと思っています。
私が、子育て中のお母さんと一緒に何かをしたいと思っているのは、まさに自分がその状況のど真ん中にいるから共感できるというシンプルな理由です。多様なバックグラウンドで生きてきた女性と話してみたい、という好奇心で最初は始まりました。自分がそうであったように、自分の生き方や働き方にモヤモヤを感じている方々が多く、すぐに私ができることは周りの大切な人たちと対話することでした。そこから、広がっていき多くのご縁で今活動ができています。
お母さんたちだけが幸せでイキイキするためのチームではなく、第一歩として、お母さんたちをイキイキにする!そのお母さんたちをきっかけに、家族、地域、企業、社会にそのイキイキがじわじわと広がっていくことが私たちの目標です。
その手段として、一般社団法人化し、広がりを作っていくタイミングだと思い、SILKを退職することを決めました。事業としては、今までやってきたことを整理していくだけなので何かが大きく変わることはありませんが、より多くの方に巻き込まれてもらえるよう、スタートを切りたいと思います。
【事業内容】
・my turn塾
お母さんたちの月1回の学びの場です。既存のメンバーに加え、今年度から新たにメンバーに加わってくれたお母さんたちを迎えて1年間で開催します。自分の事業や、やりたいこと、モヤモヤの本質に気づきそれをセルフブランディングに活かす。引いては生き方の軸になるような内容でプログラムを組んでいます。チームとしても、個人としても強みのある共感コミュニティを築いていきます!
my turnはメンバー全員が横並びのチームです。全員がオンリーワンで活動をしていて、個人戦にも強く、チーム戦にも強いチーム作りを目指しています。私は、チームのマネージャー的存在でいたいと思っています。塾以外でも一人一人と対話をし、メンバーが自分を活かせるよう働きかける場の一つがmy turn塾です。・企業や行政との協働
SILKを通して、私たちのような個人と同じように、社会をより良く変えたい!とお考えの企業の皆さんが沢山いることに気づくことができました。でも、どうやって?という課題にぶつかっておられることも。そこに、私たちのアイデア、考え方を共有させてもらうことで小さなことから、すぐに変化が生まれることもあると感じています。
また、企業さんが扱っている商材で規格外のものも、my turnのお母さんたちのアイデアと技術で、新しい商品に生まれ変わり、今までリーチしなかった客層に届いています。・リモートアシスタント業務
企業のバックオフィス業務の一部をmy turnのアシスタントチームで受託します。すでに進行中のものが多いですが、今後特にこのような業務の切り分けが求められる社会になるような気がしています。
組織内の皆さんが本来やりたいことをできるよう、その人でなくてもいい仕事を外だしすることができればいいなという思いと、子育て中のお母さんたちでも仕事を受けることで、スキルの質を落とさず社会とつながることができ、場所にとらわれない働き方に価値を感じています。
── みなさんにメッセージをお願いします!
SILKを通して出会えた皆さま、杉原と繋がってくださった皆さま、4年間、本当にありがとうございました。
私はよそから来た者ですが、京都の街や人が本当に好きです。京都は挑戦できる場所がたくさんあること、すぐに文化に触れられる、自然が溢れている、全てにおいて恵まれていると感じています。
そんな場所で、皆さんに出会えたことは私の財産です。挑戦しては、失敗して、弱音を吐き、グズる私を受け止めて下さる方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな皆さんの背中や進む姿を見て、自分もそうなりたいと思いました。まだまだスローペースではありますが、自分の実現したいことに誠実に、自分らしく取り組んでいきたいと思います。
足並みをそろえるのではなく、それぞれのペースで、それぞれの方向から。それが私のSILKで過ごした4年間で得た学びです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
2人がSILKを離れたことはとても寂しいですが、これからも、協業するチームとして一緒に活動する場面があちこちで出てくるかと思います。2人の新たなチャレンジも、ぜひ応援よろしくお願いいたします!
そして、4月からは新しい仲間が加わりました。新メンバーの得意なことを活かして、SILKの活動をさらに広げていければと思っています。