これからの1000年を紡ぐ企業認定

[社会・地域貢献部門]

2023年度認定

株式会社タケダ

代表:竹田 裕美子

株式会社タケダ

伝統工芸を継承するため、ブランドの立ち上げに挑戦

伝統工芸の職人を支える商社が、伝統工芸品ブランド「竹田千藏商店」を立ち上げました。アクセサリーブランド「HOMARE」など、職人とデザイナーとのコラボ商品を開発し、ギャラリーで展示販売。社員の挑戦を後押しする社内環境づくりにも取り組んでいます。

次世代を担う人たちへのメッセージ

明治26年創業の材料問屋の挑戦「竹田千藏商店ブランド」

株式会社タケダは1893年(明治26年)に染料問屋として創業しました。現社長の竹田裕美子は4代目の社長になります。
創業当時からユーザーとメーカーを仲立ちする問屋として、双方に価値を提供してまいりました。現在は主に、工業薬品、塗料、接着剤、染料、樹脂の販売をしています。
企業理念の「幸せの化学反応を起こしましょう」に基づき、より良い製品を世に送り出すため日々努力しています。
弊社の顧客に伝統工芸の職人さんも多いことから、2022年に現代のライフスタイルに合う伝統工芸品ブランド「竹田千藏商店」を立ち上げました。伝統工芸品の需要を増やし、担い手を増やすことも目的としています。
竹田千藏商店ブランドを通して、日本の優れた技術、文化を世界に発信したいと考えています。若い方々から、ベテランまで、多種多様な人々が係わるブランドに育ててまいります。
小さな会社ならではのチャレンジ精神で社会が抱える問題解決に取り組んでいきます。若い方々と一緒に商品開発に取り組み、よい反応を広げていきたいと思います。
竹田千藏商店の商品を実際に手に取っていただく実店舗「ギャラリー竹田千藏商店」では職人さんの作品展示や、ワークショップも行っています。お気軽にお立ち寄りください。
若い方々と一緒に、幸せの化学反応を起こしたいと思います。


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  • 経営理念

    幸せの化学反応を起こしましょう

    「幸せの化学反応を起こしましょう」の企業理念のもと日々活動しています。基本方針として5項目を掲げています。社員が自分自身を大切に思える会社にします。社員の明るく幸せな未来のため日々努力します。お客様に愛される会社にします。三方良しの精神で仕事に取り組みます。人と環境にやさしい豊かな社会づくりに貢献します。日本の伝統文化を守り発展させていきます。商社としてユーザーとメーカーを太いパイプで繋ぎ、仲立ちを双方に価値を提供します。人と人、会社と会社を結び付けより良い製品を世に送り出します。上記の企業理念、基本方針のもと、商社としてユーザーとメーカーの仲立ちし、よりよい商品を世に送り出すため日々活動しています。

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  • 社会課題の解決

    伝統工芸の職人に希望を与え、活性化を促進する

    当社の顧客は伝統工芸の職人も多く、材料を販売している中で、伝統工芸は深刻な問題を抱えていると認識している。需要の減少による市場の縮小や後継者の不足、原材料や用具等の将来供給に不安があるなど、日本の文化である伝統工芸が衰退の危機にある。創業130年の材料問屋としてこれらの課題解決に取り組みたいと考えた。
    まずは新たな顧客を開拓するために伝統の技術を活かしつつ現代のライフスタイルに馴染む伝統工芸品の開発を開始。新たな市場を開拓し、若い人々に「技術継承がしたい」と思ってもらうことで、後継者獲得を目指している。この活動は当社と職人との長年にわたって築いた信頼関係がベースになっており、弊社の強みである保有するネットワーク、企画力、目利き力、営業のノウハウを活かして伝統工芸の問題解決に取り組んでいる。
    またエコな商品として、脱プラやフードロス、ゴミの削減に寄与する「竹田千藏商店のみつろうラップキット」の開発販売も行い、環境問題解決の一翼を担っている。

    ── どのような取組をしていますか?

    当社の企業理念である「幸せの化学反応を起こしましょう」の下、伝統工芸職人とデザイナーを結び付けることで新たな商品開発に取り組んでいる。当社の顧客で仏具金属の職人である車塚工芸さんとのコラボレーションにより、独自アクセサリーブランド「HOMARE」を立ち上げた。また京都商工会議所の新商品開発プロジェクト「京都WDH」に参加し、伝統工芸である仏具の錺(かざり)の技術を活かしたインテリア「SO-U」を発表した。いずれもデザインができないという車塚工芸さんの悩みをデザイナー2人が解決してくれた。
    「SO-U」は、錺金具のフラワーオブジェと京焼・清水焼の窯元である森里陶楽氏が制作する透ける陶器のランプシェードとの組み合わせである。職人同士のコラボレーションも実現させることができた。森里陶楽氏は現在主に料理食器を作陶しているが、製品の幅を広げる機会となった。
    「HOMARE」「SO-U」共に東京と京都のインターナショナルギフトショーへの出展した。「SO-U」は、応援購入サイト「MAKUAKE」に挑戦し、目標金額を達成。百貨店などのポップアップ出店も積極的に行い知名度を上げる活動をしている。ブランドの認知度を上げ、売り上げを確保することで技術継承や、人材確保に繋げている。

    ── どのような成果が生まれていますか?

    材料問屋である弊社が、現代のライフスタイルに合う新しいデザインの伝統工芸品ブランド「竹田千藏商店」を立ち上げるというこの取り組みは、弊社の顧客である伝統工芸の職人からの注目を集めている。最初に協業した車塚工芸さんは、自らも新商品を考える挑戦をするなど、意欲的な姿勢を示している。京焼・清水焼の窯元の森里陶楽氏も新素材での作陶に挑戦しインテリアを作った。
    このような事例が伝統工芸の職人に希望を与え、活性化を促進する役割を果たしている。またギャラリー竹田千藏商店は、伝統工芸をキーワードに作り手や伝統工芸に興味を持つ人々、学生、地域の人々などが集まる場となることを目指して作った。ギャラリーでは商品の販売だけでなく、個展の経験のない職人にとって作品を発表する場として活用する。京もの伝統工芸士会「響」さんにはミーティングの場として提供した。関係者や職人たちとの交流を活発に行うことで、情報の共有やニーズの把握に役立つだけでなく、地域社会との連携も強化することが出来る。これらの活動は伝統工芸の認知度を高め、その価値を引き上げる効果がある。また伝統工芸の未来に対する期待や評価の高まりを実感している。

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  • 従業員・顧客・取引先への配慮

    伝統工芸作家を商品開発や展示で応援

    〇ユーザーとメーカーの架け橋に
    伝統工芸の職人とのコラボレーションにより、現代にもなじむアイテムを開発・販売するとともに、ギャラリーでは伝統工芸作家の作品も展示し応援している。KESステップ2の認証を2005年以来継続しており、環境に配慮した商品を開発、SNSなどを通じてユーザーへの環境配慮商品や適切な利用方法に関して発信するなど、ステークフォルダーとの積極的な意見交換を行っている。
    〇労働環境の整備
    CSRの勉強会など社内での研修を行い、人権問題、労働環境について話し合い臨機応変に対応している。以前は行っていた危険物などの小分けや重量物の運搬なども改善し、従業員の負担を軽減した。

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  • 地域社会への配慮

    現代のライフスタイルに馴染む伝統工芸品のブランドを立ち上げ

    〇地元伝統産業の振興
    顧客に伝統工芸品の職人が多いことから、伝統工芸の抱える、需要の減少、後継者不足、材料の供給不安という問題解決に取り組む活動を始めた。現代のライフスタイルに馴染む伝統工芸品の「竹田千藏商店ブランド」を立ち上げ、地元産業の需要拡大に寄与している。
    〇東山区への貢献
    地域の清掃活動、「七条大橋をきれいにする会」に参加しボランティアを通じて地域の人々、企業との交流をしている。地元消防団「貞教消防分団」に所属し、地域の防災に貢献。また地域行事の運動会や地蔵盆、祭りなどにも積極的に参加。

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  • 環境(未来の社会)への配慮

    社員がやってみるという挑戦ができる環境づくり

    〇社員の挑戦を尊重 KESステップ2の認証を受けたことをきっかけに、小さな会社ができるCSRとして、地域貢献、社会貢献に力をいれている。社内勉強会を2回/月開催し、知識の向上と弊社ができる社会貢献について考えている。小さな会社ならではの決裁の速さを強みに、社員のやってみるという挑戦ができる環境を作っており、社員が自身の持ち味を活かし、活き活きと活躍できる場を提供している。都度都度ミーティング、社内勉強会、意見交換を臨機応変に行っている。 就業規則も整備しているが、社員の生活環境に応じて勤務時間等も臨機応変に対応している。
    〇伝統産業を繋ぐ商品の開発
    伝統工芸の職人が抱えている需要の減少、後継者不足等の問題解決のため、伝統工芸品の独自ブランド「竹田千藏商店」を立ち上げ活動を始めた。また、これらの活動を、ホームページで公開している。
    〇環境にやさしい製品の開発
    オリジナル商品として自分でみつろうを綿などの布にコーティングして作る「みつろうラップキット」を開発、脱プラやフードロスの軽減を推進している。カラフルでオリジナルの京都らしさを感じる柄の布を用いており、自分で作ることで楽しいだけでなく愛着がもてる。環境にも人にもやさしく、日本の伝統文化を伝える商品で京都市のふるさと納税返礼品にもなっている。

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