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経営理念
文化の継承発展に貢献し、協力者との相互繁栄をめざして
伝統を重んじ、文化の継承発展に貢献を期す。
存在意義を伝え、繋ぎ信用の蓄積に努め全ての協力者との相互繁栄を期す。 -
社会課題の解決
100%植物性で環境にやさしい和蝋燭を広めていく
・和蝋燭は室町時代から作られてきた伝統産業であり、100%植物性で環境にやさしく、油煙が少なくて大きく美しい炎が特徴である。昔からお寺や仏壇で使われてきたが、最近では安価な西洋ローソクの普及により使用が減り、作り手も減っている状況にある。さらに原材料となるハゼの木を栽培する農家が減っている問題もある。
── どのような取組をしていますか?
・和蝋燭文化の継承・発展のため絵付けや蝋燭作りを学べる体験教室を実施し、一般のお客様にも京都の伝統工芸に触れる機会を提供している。店舗だけでなく、地域のイベントや大学でもワークショップを行い、和蝋燭に関心を持ち、周知・浸透へのはたらきかけを行っている。
・上記記載のとおり和蝋燭の地産地消を目指す「京都“悠久の灯(あかり)”プロジェクト」を実施。市内の伝統工芸職人らが2015年8月に会社を立ち上げ、「伝統工芸を維持するとともに、京北の活性化にもつなげたい」という意気込みの下、和蝋燭の原料であるハゼの栽培を始めた。
・また、活動を通じて生まれたさまざまな繋がりから、和蝋燭を活用した新たなアイデアも生まれている。植物由来の原料で作られた着火剤や原材料であるハゼろうを使用したハンドクリームなど、和蝋燭を身近に感じる入口の1つとなる商品づくりを行っている。
── どのような成果が生まれていますか?
・社会課題の解決には周囲を巻き込んだ取組が不可欠と考える。伏見みなとあかりや悠久の灯プロジェクトを通じて京都の学校や地域の方々、行政と連携しながら活動を広げることで、若者の伝統工芸への参画を促し、文化の継続的な発展に寄与している。
・京都でのハゼの木植林によって山を守り観光資源としても活用が可能。現地でハゼ蝋の収穫、蝋の生産、新しい産業の開発をすることにより雇用発生を促し、和蝋燭業界だけでなく地域全体の活性化につながっていく。
・昔からお寺で和蝋燭が使われてきた背景としては、掃除のしやすさだけでなく、自然のワックス効果により建物の強度を高めるといった理由があった。原油系の西洋ローソクではそういった機能が損なわれているため、寺社仏閣における和蝋燭の利用普及は、京都や日本の歴史ある古い家屋を守る効果も担っている。 -
従業員・顧客・取引先への配慮
障害の有無にかかわらず自分らしく働ける環境づくり
・平成29年に京都市の伝福連携の取組を基に、障害を持つ絵師を雇用。労働時間を固定しない働き方で、技術があれば障害の有無にかかわらず自分らしく働ける環境づくりを推進している。
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地域社会への配慮
森林業の将来を担う学生たちとともに、ぶどうハゼの育成・研究を行う
・和蝋燭の原材料となるハゼの木は全国的に減少しており、 和蝋燭の存続が危ぶまれる状況にある。そこで京都府下で唯一林業専門学科をもつ京都府立北桑田高校の協力の元、地産地消をめざすプロジェクトを実施。京北にぶどうハゼの苗畑を作り、森林業の将来を担う学生たちとともに、ぶどうハゼの育成・研究を行っている。
・伏見地域の活性化のため毎年「伏見みなとあかり」を実施。伏見みなと橋周辺に和蝋燭灯篭を並べ、伏見港公園では飲食店の出店やステージイベントを行い、伏見エリアの新たな魅力・文化を発信している。開催に当たっては、
子供向けに和蝋燭の灯篭制作体験を企画し、イベントで展示・使用するなど周辺の事業者や住民、行政にも協力いただき地域一体となって伏見の魅力を伝えている。 -
環境(未来の社会)への配慮
使用済の和蝋燭と杉の木くずを使って、着火剤を商品開発
・お寺で使用済みとなった和蝋燭を回収し、杉を伐採する際の木くずと混ぜ合わせた着火剤「廻 MEGURI 着火剤」を開発。資源を効率的に活用するうえ、この着火剤は全て植物由来の原料で作られているため、キャンプなどのアウトドアで使用しても土へ還せるため、自然を汚さず循環を促す商品となっている。
また、この商品は一般社団法人暮らしランプとのコラボレーションから生まれ、同法人が運営する福祉施設で働く方々と共につくり出されている。
・電気の灯りでなく和蝋燭灯りで日本の文化・建物を見学するイベント開催
・1.17、3.11の追悼に参加、ろうそくの寄付