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経営理念
「いつも心にありがとう」の感謝
・創業者が、常日頃から色んな方々に感謝の言葉を発していた事から当店のキャッチフレーズ
が、「いつも心にありがとう」になりました。
・感謝をする事は喜ばしい事。
・感謝をされる事は喜ばしい事。
・感謝の気持ちを持って施主様やご先祖様からの感謝を頂ける仕事をする。
技術や技法の向上、継承と指導
・代々継承する技術の探求と、現代における技術の向上。
・業界の発展協力や後進育成。 -
社会課題の解決
①経営理念の引継ぎ・技術の向上。②無駄な資源・エネルギーは使わない。③廃材などの適切処理・再利用。
お墓は先祖や故人が眠る場所として「在る」ことで、生きている人々がそこに訪れて想いを馳せ、前を向いて生きていくための後押しとなります。また、近所付合いや親戚との直接的な関わりが希薄になった現代において、定期的に訪れる場所があることは、お寺など外のコミュニティと接点を持ちつづけ、孤立化を減らすといった有用性もあります。
その場所として存在し続けるために、昔から劣化しづらく、耐性の強い石材が使われてきました。石材は加工がしづらいため、優れた加工技術がいる一方で、生活様式の変化に伴い需要が減っており、技術継承・向上のためにも新しい用途を生み出していかないといけません。これまで「拝む・見る」だけだった石材を、「触る・持つ・使う」商品に加工し、より身近なツールへと発展させていく必要があると考えています。また、素材としてとれる石材の量は減少しており、限られた資源を効率的に活用していくことも重要な課題となっています。そこで石川石材では下記の取組を行っています。
①経営理念の引継ぎ・技術の向上。②無駄な資源・エネルギーは使わない。③廃材などの適切処理・再利用。
── どのような取組をしていますか?
創立者(初代 石川彰一)の経営理念として「見えない部分も丁寧に」「いつもこころにありがとう」を引継ぎ、現在も骨材(据え付けに使用する材料)を最低限の使用にとどめ、且つ傾きにくい墓所作りを感謝の気持ちと共に丁寧な施工に取り組んでおります。
骨材を極力使わない理由として、資源のロスを防ぐ目的もありますが、お墓は亡くなられた方が自然(土)に還る場所でもありますので、人工的な素材を減らすことから、自然に近い環境で安らかに眠っていただきたいという想いを込めているからであり、当店が昔からこだわっている部分でございます。
京石工芸品 伝統工芸士・京もの認定工芸士・未来の名匠、国家検定一級技能士(石材加工作業・石張り作業)などの認定取得で信頼の向上に努め、安心してお仕事を任せて頂けるようHPや名刺などで見える化を図っております。また、民間資格の終活カウンセラーの資格を取得し、希望する顧客に対してはお墓以外の悩みに多角的に対応できるよう体制を整えています。
── どのような成果が生まれていますか?
近年では、お墓離れというワードを耳にする機会が度々ありますが、先祖供養の大切さを意識されている方はおり、そのような方々に長く喜んでいただけるよう、傾きにくいお墓づくりを心かけてきました。そのためか、当店を利用されたお客様のリピートから新たな取引がうまれた事例もあり、それにより新しいお墓を建てることで、お客様とお寺との関係構築の手伝いを行ったこともあります。加えて、当店が手がける商品(石の作品、他伝統工芸品とのコラボ商品等)との触れ合いから、人口が減少しつつある産業に興味を持ってもらえるようになったと思います。 -
従業員・顧客・取引先への配慮
相見積りはとらず、仕入先の強みを重視した取引を
当店に正式雇用の従業員はなく、現場作業時には、職人の外部委託により対応しております。その際、賃金の妥当性はもちろんですが、店主(石川博康)も現場監督として出動することで安全面の確保(特に重機作業、クレーン作業、施工作業等)に努めており、また、全ての工事を委託せず、監督が自ら責任を持って施工を行うことで、顧客への信頼獲得に繋げています。
仕入先として数社の問屋商社と取引があり、施主が選んだ石種や仕様によって仕入先を確定しております。仕入れ先に対しては、単に価格を重視した取引とならないよう、相見積りはとらず、仕入先の強み※を重視した取引から、公平性を確保しております。
※石の産地や加工技術は仕入れ先によって異なり、石も石種によって特徴が異なります。仕入れ先は各々で加工技術や物流ルート等に特化した石種(主力商品)を持っている(→最も信頼できる商品)。 -
地域社会への配慮
石製の御朱印帳や異業種コラボ商品の開発に取り組む
お墓、京石工芸品の製作販売が主業ですが、近年は伝統工芸品の維持・周知等を目的に、京仏具(箔押し・漆)神器(御簾)等の他伝統工芸品を使用した石製の御朱印帳等の制作販売にとりかかっております。また産技研の京都の伝統工芸の異業種コラボで新製品を開発する事業などへ参加し、コラボ商品の開発などに努め、衰退する京都の工芸品の活性化を図っております。
私(石川博康)は、若手時代に地域の自治会(自主防や公園清掃の会)に所属しており、現在は「京の見守り大作戦」への参加や、地域夏祭りの手伝いなどを行っております。また、先代は「子ども見守り活動支援事業」への参加、兄は「消防団」に所属、母は「女性会」の副会長であり、家族ぐるみで地域の活動に積極的な参加から、地域から信頼いただける店になれるよう努めております。 -
環境(未来の社会)への配慮
廃材を新たな作品に生まれ変わらせる
廃棄物等をマニフェスト制度の下で適切な管理を行うことはもちろん、お墓の解体時に出た廃材(特に京石工芸品指定の現在産出されない石材)や加工時に出る廃材を副産物ととらえ、石のグラスや小物、彫刻品から庭物などの新たな作品に生まれ変わらせるなどの再利用から資源の有効活用に努めております。
京石工芸品伝統工芸士として、先人(過去)が紡いできた伝統工芸品の維持に責任を感じており、最近(現代)では先人の技術を活かしつつ、他の伝統工芸品とのコラボ商品(石の御朱印帳の一部に漆や金箔、御簾といった装飾品の活用)を作るなど、他者との連携を中心に伝統工芸品の周知活動を行い、加えて若手職人への積極的な技術指導※から今後(未来)の職人の育成も行っており、「過去」、「現代」、「未来」を意識して取り組んでおります。
※大々的に勉強会等をしているわけでなく、技能資格検定の受験などを考えている若手を加工場に呼び、手加工の実演や指導等を行っています。