[社会・地域貢献部門]
2023年度認定
商品開発により、地産地消のリサイクルを実現
木造住宅を解体した際に出る廃木材を再生利用し、ダイオキシン除去に使われる活性炭を独自に開発。京都市のごみ焼却施設での活用から始まり、全国で100ヶ所以上の施設に導入されました。定例の研究会を設置し、技術を持つ大学や研究機関との緊密な関係を維持しています。
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経営理念
価値の高い独自製品により社会から求められる継続可能な企業をめざす
●独自製品の研究開発・市場投入により企業価値を高め、社会から求められる継続可能な企業をめざす。
●従業員の生活を尊重し、安心して職務に従事できる企業をめざす。
●取引先との信頼関係を大切にし、安心して取引できる企業をめざす。 -
社会課題の解決
循環型形成を促進し地球温暖化を防止する
近年、最大の社会課題の一つである地球温暖化防止対策として、全国的に間伐材・廃木材・樹木剪定枝などの木質バイオマスの利活用が取り組まれています。代表的な取組として、木質バイオマスを燃料として利用するバイオマス発電は全国的に普及しつつありますが、木材資源の取り合いとなっていること、施設近隣の環境への悪影響、エネルギー効率が低いことなど、温暖化対策としての有効性に問題があります。木質バイオマスの利活用としては、燃焼による熱利用(サーマルリサイクル)以外に、バイオマスに含まれる炭素を固定化して有効に再生利用(マテリアルリサイクル)する取組が求められており、弊社の事業は、循環型形成を促進し地球温暖化を防止する取り組みの一つです。
── どのような取組をしていますか?
弊社は、創業以来、地元京都の地域特性である木造住宅の解体に伴って発生する大量の廃木材に着目し、木質バイオマスを焼却せずに原材料として活用し、ごみ焼却施設のダイオキシン除去に使われる活性炭への再生利用を行ってきました。
京都市のごみ焼却施設での活用は、地産地消のリサイクルを実現し循環型社会の構築という社会課題の解決の一端を担っております。
小規模企業ではありますが、大手の下請けではなく、独立したメーカーとして持続的な環境保全事業の拡大を図ってまいります。
── どのような成果が生まれていますか?
地元京都での事業成果をもとに、全国のごみ焼却施設向けの販売拡大を行い、現在、100箇所超の公共施設への納入実績があります。
ごみ焼却施設向けの活性炭の市場は10億円程度と推定されますが、我が国の人口減少に伴いごみ発生量は減少することから、今後、大幅な事業拡大にはさまざま課題があります。
ごみ焼却施設向け活性炭の製造技術と事業展開の成果を基盤に、水処理用活性炭、脱臭用活性炭など大きな市場が期待できる分野への進出を計画しております。 -
従業員・顧客・取引先への配慮
働きやすい労働環境を整備し、従業員の生活を尊重
企業理念の通り「持続可能な企業」をめざす上で必要となる、従業員・顧客・取引先への配慮を行っているが、特に
【働きやすい労働環境の整備】について、従業員の生活を尊重し、具体的には、
・新型コロナ対策として2020年よりテレワークを導入し、経理担当者は自宅での勤務を実施している。
・従業員の労働報酬の制度として、毎年決算期末月度(9月)に当期の業績・個人査定に応じた決算賞与を支給し、働きがい・やりがいの向上を取り組んでいる。
・従業員に対し健康保険組合協会けんぽ主催のイベントへの参加を促し健康増進・啓発に取り組んでいる。 -
地域社会への配慮
地域の福祉活動に積極的に取り組んでいる
【地産地消】について
・弊社製品の原材料には、地元産の廃木材チップを使用し、活性炭「ハイモックス」として全国に販売している。
【地域への参画】について
・代表者は地域の民生委員の委嘱を引き受け、地域の福祉活動に積極的に取り組んでいる。 -
環境(未来の社会)への配慮
廃棄物である木質バイオマスを原料に使用
【温暖化対策への取組】について
・社用車3台はすべてハイブリッド車を使用している。
【廃棄物等の取組】について
・主力製品ハイモックスは、原料として廃棄物となっている未利用の木質バイオマスを使用している。ハイモックスは日本環境協会のエコマークを取得している。
・事務作業で発生する雑紙はすべて分別回収しリサイクルしている。コピー用紙は再生紙を使用している。
【環境教育・学習の推進】について
・公益財団法人京都府産業資源循環協会に入会し、環境保全に関するセミナー等に参加している。