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経営理念
デザインで世界をより良く
社名の「アーキテクト」には「建築家」だけでなく、「ものごとを構築、設計するもの」の意味があり、「タイタン」は、京都弁で「炊きもの」のことをいいます。
各分野のプロ集団がひとつ鍋の中で起こす化学反応。そこで生まれるクリエイティブは、各種広告戦略、写真・映像撮影、イベントさらには店舗設計まで、多様なメディアを横断します。
本来の意味の「デザイン(設計)」で、お客さまの課題を整理し、解決へ導く。私たちは、デザインで世の中に新しい価値を提供し続けます。 -
社会課題の解決
日本文化・京都の文化の価値をデザインの手法で伝える
日本や京都の文化は、日本人にとって馴染みの少ないものになっている。
そのような状況ではあるが、上述したプロジェクトなどで、日本文化・京都の文化の価値をデザインの手法で表現や伝えることや、今の時代にあったプログラム開発・イベント企画をして多くの方に体験してもらえるものを作成・実施、またより深く学ぶ(学び直す)取り組みを実施している。
京都はまだその環境も触れる機会も多い。だが、河原自身は京都市生まれ・育ちであるが、大学に入るまでは日本文化にほとんど興味を持たなかった。しかし、海外旅行をして日本を外から見ること、滋賀県立大学に通うことで京都を外から見ること。また京町家や大覚寺大沢池、華道嵯峨御流等に触れ少しずつ学ぶことで興味を持ち、その面白さや価値に気づいていった。
── どのような取組をしていますか?
新たな人に興味を持ってもらうために、外から見て内の良さに気づくという考え方を大事にしており、一例として、オリジナルデザインの家具を制作し、空間デザイン・演出・運営まで実施し、体験の場を作っている。多くの場合、無償・ボランティアで実施している。
オリジナルデザインの家具は、2シリーズあり、1つは「動かせる床の間・違い棚」床の間・違い棚を家具としてデザインし建築から切り離し、移動できるようにしたもの。これによって和の様式ではない空間に、床の間・違い棚の考えを持ちだすことができる。2つ目は日本の伝統大工技術(木組み)をデザインの特徴にした家具シリーズで、釘を使わずに木材のみを組み合わせ町家などの伝統木造建築からインスピレーションを得たものである。
これらを、イタリア・ミラノサローネや、イタリア・コモ湖のオーティコラリオ(造園見本市)フランス・パリ装飾美術館 D'days、東京・大阪のグループ展への出展などで発信し、特に海外の生の声を参考にしてブラッシュアップをしている。
また空間デザイン・インスタレーションも行っており、前述したTEDxKyoto や京都・高雄での茶会などでは、自社デザインの家具と茶文化や、いけばなを組み合わせて空間表現を行い、体験の場を作っている。特に直近の事例、TEDxKyoto 2023 での空間設計では、動かせる茶室(どうらく庵)や、当社デザインの家具に、華道家である当社取締役副社長 河原由佳が挿花し、表現の幅を広げている。国内外から多数の来訪者がある場で、見るだけでなく「実際に使うことが出来る」ものとして体験し、日本・京都の文化に触れてもらっている。
── どのような成果が生まれていますか?
イタリアやパリでの展示では、様々な雑誌・ウェブメディアで取り上げられ紹介された。また専門家が集まる場であるため、現地で会話・議論をしてくれる来訪者も多数あり、デザインの考え、素材・カラー、技術、サイズなど具体的な質問や要望が聞け、改良や新たなデザインを作成し発表した。ヨーロッパの日本とは異なる空間のスケールに合わせたサイズの家具の設計が必要であることは、現地で実際に展示したり声を聞いたことにより明確になった課題であった。一度の出展でなく、回数を重ねることで、ブラッシュアップバージョンの評価も聞き、改良をしていくことができた。
また、海外で継続的に発信すること、TEDxKyotoのような多国籍の人が集まる場所で体験してもらうことで、日本国内での広報的な価値もより強くなり、海外の評価は日本国内での反応に影響があり、物・デザインにおける日本文化・京都文化の伝達にも、外から見た日本・京都の視点が大事であることが実際によくわかることである。 -
従業員・顧客・取引先への配慮
従業員個々の事情や意思に合わせた多様な働き方を実践
【働きやすい労働環境の整備】
仕事と家庭(子育てや介護など)を両立しやすい職場環境づくりを進めることで、女性の活躍推進や子育て支援を行なっている。
■変形労働時間制・テレワーク・副業の許可などの制度を導入し、従業員個々の事情や意思に合わせた多様な働き方を実践している。
1カ月の変形労働時間制(80時間・120時間・140時間・160時間)
■子育て支援:男女を問わず育休取得、復帰実績あり(取得復帰数:5名)
在宅勤務(規定に基づく)あり
副業可(規定及び審査あり)
年間5日までは有給休暇の時間取得可(20時間・30時間・35時間:・40時間)
■同一労働同一賃金への賃金改定を進め、ほぼ実施できている。
生産性の向上したほか、コロナ禍でも柔軟に対応できるなどの成果があった。また従業員のメンタル・フィジカルの健康に繋がった。
【差別の禁止】
「タイタン」の名前の由来が「炊いたん」=「多様な味がしみ出しあってひとつの味をつくる」という多様性の良さを大事な価値観と考えており、差別という考え方がそもそも無い。その上で、ジェンダーバランスや国籍について以下に記載する。
■ジェンダーバランス:女性役員比率 50% 女性従業員比率70%。創業時より女性従業員比率は多めで、能力・スキルによる採用、適材適所の人事・人選をした結果の数字であり、そもそもジェンダーを意識せず、本質的なジェンダーバランスが取れている。LGBTを自認している従業員の在籍実績もあり。
■国籍:現在、台湾籍、フィリピン籍と日本のダブル、インド籍の配偶者を持つ従業員(本人も10年以上のインド在住歴)が在籍。また、韓国籍の役職者、中国籍の学生アルバイト等の在籍実績あり。
【人材育成】
人材育成、社会への貢献を意識し、日頃の事業・業務を「デザインで世界をより良く」の理念に基づき進めている。
■毎週1回の朝礼で、他者(他社)事例、展覧会情報の紹介、共有
■全従業員(正社員・パート・アルバイト・派遣社員)を対象とした、デザインや統計学他の研修・勉強会の実施
■日本語検定 取得者に手当支給 → 基本的作文能と適切な日本語でのコミュニケーションの向上等を目指す
■業務に関わる資格(例:Webクリエイター能力認定試験 等)を有する者への手当を導入予定
■10種程度の書籍を選定し、その中から1つを選びレポートを提出。
日頃と異なる視点に触れる機会、読む力、書く力ををつくる
■永年勤続報奨金支給
■スキルアップ、経験を目的とした、業務時間内での売上に関わらないデザインコンペ参加 -
地域社会への配慮
「TEDxKyoto」、高雄地域活性化実行委員会の運営に参加
■「TEDxKyoto」
2012年設立時よりアーキテクトタイタンとしてチームパートナー(スポンサー)として継続的に支援を行い、河原司がコアメンバー、アーキテクトチームリーダーとしてボランティアに継続参加し11年目。
世界を変えるアイデアを京都から発信するプレゼンテーションの場、1000人規模の参加者の交流の場作りなどを建築設計・グラフィックデザイン等の分野で支援する取り組みを行なっている。
TEDx(*)の運営ルールとして、スタッフは無償のボランティアで運営されることが前提。
2023年4年ぶりに国立京都国際会館で開催した「TEDxKyoto 2023」では、
準備期間〜前日設営・当日運営のため、アーキテクトタイタンの車両・什器・備品の貸し出し、
役員・従業員・アルバイトを含め15名が参加、協力。
*TED と TEDx ・・・ TTED と TEDx ・・・ TED は 「よいアイデアを広めよう(Ideas Worth Spreading)」を理念とする非営利団体でありイベント。TEDx とはTEDからライセンスを受け、その精神に基づき世界各地で独自に運営されているプログラム・コミュニティ。
岡崎いきいきセンター 大学学生連携事業 委員(2013年〜2018年)
曽和 治好氏を(現:武庫川女子大学 建築学部 景観建築学科 教授)を代表に、いきいきセンターが運営される中で、ブランディング、デザイン分野、ランドスケープデザインのアドバイザーとして約6年ボランティア参加。
ロゴなどのデザイン運用方針とルールの設定や看板デザインのアドバイス、前庭や隣接する公園の環境整備を主に行う。
■高雄地域活性化実行委員会(2015年)に河原司が委員として参加。
高雄地域の活性化の検討会議に参加し、アイデアの提供、三山をお茶でつなぎ巡る「三尾茶旅」の企画を立案。
アーキテクトタイタンがロゴデザインや告知物(チラシ・のぼりなど)のデザインを担当。
オフピーク時の観光施策を目的として青紅葉の時期(オンピーク=紅葉時)に実施し、
右京区役所、高雄保勝会、高雄自治連合会の皆様と共に実行。
近年初めて三山(神護寺・西明寺・高山寺)のトップが揃っての「献茶式」が高山寺で実施された。
三尾茶旅の中で、自社が主催の茶会イベント「新緑を喰らう SIONE×椿堂)の企画・運営・空間設計行う。
委員会終了後も関係性を継続し、2017年には保勝会・自治会の代表団と共に台湾・高雄市の高雄観光協会へ、表敬訪問し関係性を強化(その後、高雄マウンテンマラソンの開始に繋がる)。
また台湾の雑誌「薫風」の台湾のルーツを京都に訊ねる特集のための京都・高雄取材のアレンジ。
その取材の様子を京都新聞での広告特別企画としてライティング・紙面デザインなどを行い、深く広く展開した。
その他にも、京都の伝統・文化を発信し、地域コミュニティの活性化につながる取り組みを一定頻度で行なっている。
■京都市景観・まちづくりセンターのシンポジウムポスターの作成
2011年・2012年の景観まちづくりシンポジウムのポスターを町家をテーマに作成。
特に2011年のデザインは、当時のアーキテクトタイタンの事務所だった、中京区西ノ京の3連棟の町家を撮影。
アーキテクトタイタン事務所の町家、隣接し当社でリノベーションした大学教授が居住する町家等。
地域のコミュニティの核となっている喫茶店の住人と当社社員が写真にモデルとして入り、現地のリアルで円満なコミュニティをビジュアル化した。
■京都市景観・まちづくりセンターへの寄付
2022年度にアーキテクトタイタンとして寄付。
そこに至る町家への想いや経緯をインタビューしていただき、
ニュースレター京まち工房に掲載
■株式会社福寿園での宇治茶振興
福寿園オンラインショップ(国内外)の運営に深く携わる他、株式会社福寿園のデザインからシステムまで、
様々な業務に関わり、宇治茶・日本茶の振興に広く取り組んでいる。
■京都府・伊根町観光交流施設「舟屋日和」のデザイン
施設全体ロゴデザイン、カフェ Ine cafe、料亭 海宮 のロゴデザイン、ウェブサイト制作、施設に展示するための「伊根祭」の写真撮影などを担当
■各種学校での講義・授業等
河原司が、京都芸術大学、滋賀県立大学、嵯峨芸術大学、嵯峨御流講師向け研修、甲南大学、大阪市立デザイン教育研究所等で講義。
大覚寺大沢池の歴史に学ぶ戦略や、TEDxKyoto、その他グラフィック・建築・ランドスケープ関連のデザイン講評、ブランディング・デジタルマーケティングについてなどが、主なテーマ。
バンタンデザイン研究所では1年間授業を受け持つ中で、
河原以外の従業員数名によって講義を行うなど、より企業の役割としての講義を組み立てた。 -
環境(未来の社会)への配慮
文化の継承のため文化事業をデザイン面から支える取り組みを行なっている。
■『Living History in 京都・二条城』プロジェクト(2019年〜2021年)
文化庁の補助事業として、3年後の自走を見据えた体験プログラム開発や歴史・文献調査、現場プログラム運営、ブランディング、コンサルティング、CI/VI企画制作を担当。
2022年自走段階でのウェブサイトのリニューアルも担当。
■京都市文化財保護課の“京都を彩る建物や庭園”制度(2021年開始)のブランディング(2022年)や、登録者に向けた『彩る通信』のデザイン、所有者が集う「所有者交流会」のセミナー・交流の企画や現場の運営、撮影などを継続して受託している。
■有斐斎弘道館 ボランティアとしての取り組み
河原司が「社長の京都留学」というコンセプトで、2018年から1年半の間、ほぼ毎日弘道館に通い、茶道・和歌・能楽を中心に日本文化を学ぶ研修を実施。研修を受けながら、弘道館の事務局運営、企業研修の実施、電子チケットシステムの導入、営業窓口、イベント・企画のサポート、建物や庭の維持などをボランティアとして携わる。
■京町家の改修設計活用
京町家の改修・リノベーションに10軒程度携わる。
また2006年から2012年は自社オフィスを中京区西ノ京の町家2軒を自社でリノベーションし、スタジオ・事務所として使用。
■大覚寺大沢池景観修復プロジェクトに参加
■北野天満宮曲水の宴
詠人として参役 2名(河原・関沢)