SOCIAL INNOVATION Meets up OSAKA ~推し企業への愛を語り尽くす夜~ を開催しました!

2025年9月12日、「推し企業」への愛をファン目線で語る、SOCIAL INNOVATION Meets up OSAKAを開催しました!

起業家のピッチイベントのように立候補型のイベントもいいのだけれど、立候補してこない企業にも出会いたい。素敵な企業が自社の良さをPRするのもよいけれど、社外の人から見た会社の魅力もまた面白い。

そんな思いから、企業支援の仕事をしている人たちが、支援する中でファンになった企業について、勝手に推しポイントを紹介する「推し活イベント」が誕生。京都をとびだし、関西二府二県から4名のプレゼンターとその「推し企業」にご登壇いただきました。

◎ 田中 成美 さん
株式会社アスタネ 代表取締役/京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)コーディネーター/京都信用金庫 京信人材バンク 共創パートナー

推し企業:合同会社なんかしたい

◎ 上畑 健太 さん
株式会社 紀陽銀行 ソリューション戦略部 スタートアップ支援室 調査役

推し企業:株式会社スタディブレイン

◎ 枡谷 郷史 さん
公益財団法人大阪産業局 産業振興部 部長

推し企業:株式会社シェルパック

◎ 佐野 芳枝 さん
関西学院大学 社会連携・インキュベーション推進センター/院内講師(国際学部・理学部)/KANSAI STUDENTS PITCH Grand Prix連絡協議会 事務局

推し企業:株式会社Winttle(ウィントル)

会場協力:Blooming Camp

会場に着いたら、受付をして名札を記入。見てみると、一風変わった欄があります。

「所属」「お名前」そして…

「推し企業」!

少しだけいつもと違う自己紹介で、その人が何に惹かれるのか、大切に感じるのかを知ることができる仕掛けです。

はっぴに身を包み、特製うちわを携えてプレゼンターが語りはじめます!

推し企業プレゼン、スタート!

「私が一番言いたいことは、『なんかしたい』が存在することで、地域がハッピーで元気になるってめっちゃ最高やん、ってことです!」

そんな一言から語りはじめたのは、SILKのイノベーション・コーディネーターでもある田中成美さん。推しは、京都・西院で古民家8軒を改修して、塾と学童で事業性を実現しつつ、非営利で地域にひらかれた食堂を営む「合同会社なんかしたい」。

特にうどん屋「まなあそ食堂」を基点に生まれる世代を超えた関係性が、まさに「令和版サザエさんの町」なのではないかと語ります。

続いて紀陽銀行 上畑健太さんが推すのは、勉強方法の指導に特化した個別指導塾を営む「株式会社スタディブレイン」とその代表・吉村健吾さん。和歌山発のスタートアップで、2030年を目標に全国展開を目指しています。

「彼の泥臭さがあれば、きっと実現するんじゃないかと思うんです」

「和歌山から全国への挑戦を掲げる人は、本当にいないんです。みんな諦めてしまう。衰退する和歌山のこれからのシンボルとして、私は彼を推したいです」

目標に向かって挑戦を続ける吉村さんへ、大きな活躍を期待して語ってくださいました。

そして3人め、大阪産業局 枡谷郷史さんの推しは、大阪の平野区にある小さな袋屋「株式会社シェルパック」。

「僕の推しは会社というよりはヒト。代表取締役の堂野 起佐(どうの きさ)さんです」

「堂野さんは袋がすごく好きで、袋に関する探究心が半端ない。圧倒的な情熱を持った人」

と声援をおくり、堂野さんも力強く応えます。

「もっと、誰もが生きやすい世の中になればいいと思っています。私はたまたま袋屋の娘として生まれたから、大好きな自社の袋を通じて社会に貢献できる方法を考えたいんです。これからも頑張ります!」

そして最後に、関西学院大学 佐野芳枝さん。推しは、関西を拠点に高校生の探究授業を支援する「株式会社Winttle」とその代表・小竹悠暉さん。

「私がWinttleを推すのはシンプルに『生徒のやりたいに寄り添う探求の伴走者っていいやん!』って思いからです」

「創業した2人を高校生、大学1年生だったころから知っています。学生プロジェクトから企業に成長して、今日こうして皆さんの前で推せるようになったことに、私自身感動しています!」

と、プロジェクトの成長を見守ってきた心境を語ります。

「仕事を得るためにプレゼンテーションをするのが一般的な中で、それもいいけれどそうじゃない優しい世界観があってもいいんじゃないか」

「ソーシャルという考え方は、まだまだ『意識が高い』『真面目』なイメージがあって、ピンとこない人も多いと思います。でも僕たちが今日来てくれた企業に対して感じているのって、実は『このお店が好き』とか『この商品を応援したい』というシンプルな気持ちだなと思って。それってつまり、推しなんです。から今回は『推しを語る』という切り口で、普段からソーシャルを意識している人もそうでない人も、楽しみながら混じり合える場をつくろうと思いました」

今回のイベントを企画した、株式会社でかいうつわの代表・田中慎さんはイベント終了後、このように語ってくださいました。

企業の良さを誰かに伝えるとき、ビジネスの場では、他と比較しやすいように事実を客観的に語ることが当たり前になっていると思います。

けれど、「推しを語る」なら主観的でいい。好きなものを思いきり好きと言える場だからこそ伝わる想いがあることに、改めて気づかされるような時間でした。

「会社は道具」と教えてくれた経営者の方がいるのですが、好きな道具を選べること、選ぶことは自分を喜ばせることであると同時に、社会の向かう先をわずかでも決めること。いま自分や、身近にいる大切な人たちのために何を選びたいのか、改めて見つめてあげたいと思います。

この日一日のうちの数時間、一つの「点」に過ぎない場が、これからそれぞれの参加者のもとで異なる点と結ばれ、まだ見ぬ「線」を描いていく。一人ひとりの、まだ見ぬこの日の「続き」が楽しみです!

さて次回はSOCIAL INNOVATION Meets up KYOTO、2025年12月5日(金)15:00-18:00に立誠ガーデンヒューリック 京都にて開催予定です!

河南碧衣

河南碧衣

TRAVERSE PROJECT 代表
2025年4月よりお茶の水女子大学3年生を休学し、10年暮らした京都・宇治に1年間Uターン移住。言語による表現のうち「手紙」をメディアとして役立てることの可能性を提案するプロジェクトを立ち上げ、京都をフィールドに実践中。