元ナンパ師の塩尻市職員山田崇さん×モテる公務員サミット実行委員会委員長山本恵果さんによる「モテる」談義
平成28年8月27日(金)に開催する「ソーシャル・イノベーション・サミット2016 in京都」。今回は,「人を巻き込む「モテる」公務員と未来を創る!」をテーマに,全国で多様な人々を巻き込みながらソーシャル・イノベーションを巻き起こしておられる公務員の皆さんをお招きする予定です。
その中で,「空き家から始まる商店街の賑わい創出プロジェクトnanoda(なのだ)」代表で元ナンパ師という経歴を持つ塩尻市役所の山田崇さんにも登壇いただきます。
今年のソーシャル・イノベーション・サミットのテーマ「人を巻き込む「モテる」公務員と未来を創る!」は,山田さんを京都市の職員研修に講師とお招きしたことをきっかけに集った「モテる公務員サミット実行委員会」の声から生まれたものです。
今回は,山田さんとモテる公務員サミット実行委員会委員長の山本さんとの対談をご紹介します。
サミット開催までの秘話
山本:「“モテる公務員”をキーワードにしたサミットを開催しよう!」という話は,山田さんが京都市の職員向けに開催された研修に「情熱をもって市民と一緒にイキイキとまちのために頑張る“モテる公務員”」として講師にお越しいただいたときに出てきたものなのですよね。
山田:もともと,仕事に前向きに取り組む姿勢とか市民と一緒に取り組むまちづくりについて,話を聞かせてほしいということで,京都市の研修にお声かけいただいて。当初は50人定員と聞いていたのですが,ふたを開けてみれば約100人の方に参加いただいて。嬉しかったですね。「京都市職員とがってるなー」と思いました。
こうやって,わが町のために頑張っている公務員って全国にたくさんいると思うんですよ。それで,研修終わりの懇親会で,そんな公務員を応援する場があってもいいじゃないかって盛り上がって「モテる公務員サミットをやろう!」って話になりましたよね。笑
山本:山田さんが塩尻に帰られた後,早速私たちは「モテる公務員サミット」実現に向けて動き出したのです。
研修で山田さんの話を聞いた庁内のいろんな部署の職員が,そして京都市役所職員以外の方も参加して「モテる公務員サミット実行委員会」を立ち上げました。
最初は,公務員向けのサミットを考えていたのですが,全国のモテる公務員と一緒に頑張っているいろんなセクターの方たちも集まって,一緒に取り組む仲間に出会ったり次のアクションが生まれる場にしようということで,ソーシャル・イノベーション・サミットとして開催することとなりました。
空き家活用に取り組むこととなったきっかけ
山本:山田さんと言えば「nanoda」に取り組んでおられることで有名ですが,そもそもなぜ空き家を借りようと思われたのでしょう。
山田:僕はもともと理系で,建築に興味があったのでそっちの道に進もうかとも考えたのですが,建築には苦手な物理が必要で。結局,大学では理系の専攻の中で一番女の子が多かった化学専攻しました。だから,もともと建築物には興味があって。神山町のアーティストインレジデンスの取組を知ってから,自分でも何かアートをするスペースを持てたらいいなと漠然と思ってたのですよね。
塩尻市役所では若手職員で月一回,いろんなテーマを掲げて勉強会を開催しているのですが,2012年の3月の勉強会では「魅力ある商店街を考える」というテーマでみんなで意見交換をしていたのです。で,そのときについ「空き家を借りてみる」と宣言してしまった。
それこそ,アートスペースになればいいかなとは思っていましたが,なにをするかはなにも決めていませんでした。
ナンパをする
山本:いつも全国を飛び回っておられるイメージだったので,正直いつ市役所でお仕事されているのかずっと不思議に思っていました。笑
山田:シティプロモーションの担当なので,外で塩尻の発信をするのはもちろんですが,いろんな人に実際に塩尻のまちに来てもらうということも大切にしています。僕の講演を聞いてくださった方がいて,あいは雑誌で取り上げていただいた記事を見て,塩尻のことを知ってくださった方もたくさんいらっしゃると思うのですが,でもせっかくなら実際に塩尻に来て見て・触れて・感じていただきたい。僕が全国を飛び回ってる中でおもしろい人と出会ったら絶対「一度,塩尻に来てみませんか」と声をかけています。実際に塩尻のまちを見て・感じてもらって,塩尻をもっと良いまちにするためにどうしたらいいかを一緒に考えてもらう。市役所職員との勉強会もひらいています。
山本:まさに,今もナンパをし続けているのですね。
山田:対象が女の子だけじゃなくなったということです。
山本:実際に現場を見ることで,ことの本質が見えてきますものね。われわれ行政が仕事をするうえでも,とても大切なことですよね。
山田:市役所でも“計画をつくる部署”と“それを実行する部署”とわかれているけど,私は計画をつくるときは,できる限り“それを実行する部署”の担当者からの声を聞くようにしています。
2016年1月に新たにスタートした「地方創生協働リーダーシッププログラム-MICHIKARA」の際も必ず事務事業の担当者にも参画いただき,「忙しいかもしれないけど,1年のうち3日間だけでも」と誘っています。そして,MICHIKARAのプログラムでは,一緒に「なぜ,なんで」「具体的には」「いつまでに」「本当に?」という問いを繰り返す。いかに本質的な課題と向き合うかが勝負だと思っています。
まだまだ変われる
山本:山田さんは前からそんな感じでお仕事されてたんですか?
山田:いや,僕がこういったスタイルを取り始めたのはつい最近の話です。これまで,税務,財産管理,会計などを経て,市民活動支援の担当になった時に「自分が市民活動をしたこともないし,団体を立ち上げたこともない。それなのに“市民活動支援”ができるのか」とふと思って。それから,自分でも勤務時間外に何かやってみようと動き出し「アートプロジェクト」や「空き家プロジェクトnanoda(なのだ)」「信州移住計画」を始めたら,この5年くらいで一気にこんな感じに。だから,人ってまだまだ変われると思ってます。
今回のサミットも,参加していただいた方のなにかが変わるきっかけになったらいいですよね。楽しみにしてます!
塩尻の商店街を御案内いただくなか,道ばたで,あるいはお邪魔したお店でといろんな人に声をかけられる山田さん。地域の人たちに愛されていることを感じるやりとりにたくさん触れました。
多くの人が惹きつけられる山田さんと「ソーシャル・イノベーション・サミット2016 in京都」で語り合いましょう!ソーシャル・イノベーション・サミット2016in京都の詳細・お申込みはこちら