「これからの1000年を紡ぐ企業認定」のリニューアルと、事業アイデアコンテスト開始への思い
SILKが創設時から続けてきた「これからの1000年を紡ぐ企業認定」。2015年に第1回の募集を開始した頃を振り返ると、当時はまだ“SDGs”が世に出ておらず、ビジネスの現場で“社会課題”という言葉を聞くこともほとんどありませんでした。ここ数年の社会の変化を受けて、企業認定の役割も変えていく必要があるのではないか……昨年は一度足を止め、制度のあり方を見つめ直す1年になりました。
SILKのメンバーがどんな思いで2022年度の「これからの1000年を紡ぐ企業認定」「SOCIAL INNOVATION Meets up KYOTO」を始めるのか、皆さまにお伝えできればと思います。
お互いに認め合って応援し合うコミュニティを作りたい
─ 今年は「これからの1000年を紡ぐ企業認定」のプレゼンテーションが公開イベントになり、さらに事業アイデアコンテスト「SOCIAL INNOVATION Meets up KYOTO」を同日開催する予定です。まずは、事業アイデアコンテストを新たに始める目的を教えてください。
石井: 「これからの1000年を紡ぐ企業認定」を6回やってきて、認定企業同士の横のつながりがすごくいいなと感じています。認定企業が計28社になって、色々な業種や規模が混ざって学び合うコミュニティができてきました。めざす未来に共通するところがあるので、一緒に社会を良くしていこうという空気が自然と生まれるんですよね。事業アイデアコンテストを開催することで、この輪をさらに広げていきたいと思っています。
田中: コロナ禍で誰もがたいへんな状況になった時に、認定企業コミュニティの意義を改めて感じましたね。先が見えない中で、お互いに試行錯誤しながら掴みかけていることをシェアして、応援し合える場になっているなと。一方で社会全体の状況も変わってきて、多くの事業者さんが社会課題を意識し始めています。今後は裾野を広げる方に力を入れていきたいなという話は、メンバー間でもよくしていました。
石井: 認定という仕組みの性質上、制度設計をしっかり固めてから動かさないといけないので、運営する中で感じる疑問やモヤモヤもありました。京都市さんの行政としての思いもお聞きして、お互いの視点から意見を出し合って、所長の大室先生とも何度も話して……今のかたちに落ち着くまでにけっこう時間がかかりましたね。紆余曲折ありましたけど、いい感じになったと思います。
木村: 認定は、相談に来てもらって「めっちゃいい事業やし応援したい!」と思っても、条件に当てはまらないというパターンがどうしても出てきてしまいます。でも、今回の事業アイデアコンテストは、所在地や創業年数などの条件がないんです。この差は大きいですよね。学生さんでも売上がなくてもOK。私たちにとっても新しいチャレンジなので、ドキドキします。
田中: せっかく応募してくれた事業者さんを落としたくないっていう気持ちは、すごくありました。伴走しながら何度も悔しい思いをしてきたから。これから必要なのは上からのお墨付きじゃなくて、まちで働く人、暮らす人がお互いに認め合って応援し合う関係性だと思います。だから、今回は認定や受賞までのプロセスもオープンにできたことはすごく嬉しいです。
木村: 「これからの1000年を紡ぐ企業認定」のプレゼンテーションを皆さんに見てもらえると思うと、わくわくしますね。今までは審査員の方々と私たち運営メンバーしか参加できなかったので。事業アイデアコンテストは、オーディエンスからの投票数で受賞者を決めることになりました。それぞれ「認定」「コンテスト」っていうかたちをとっているけど、どちらもコミュニティを作るための場なんだなって、話しながら改めて思いました。
石井: そうやね。オーディエンスの人も含めて、あたたかいコミュニティになっていくことを願っています。
まだ出会えていない人に出会いたい
─ 「これからの1000年を紡ぐ企業認定」「SOCIAL INNOVATION Meets up KYOTO」ともに、応募には推薦団体さんによる推薦書が必要なんですね。
石井: これもコミュニティを広げていくための新しい試みです。SILKの役割を考えると、自分たちの手の届く範囲だけに留まっていたらだめなんです。京都のあちこちで根を張りめぐらせている皆さんと一緒に広げていかないと。SILKの周りには頼もしいパートナーがたくさんいるので、ちょっと気を抜くと、今ある関係性の中だけで色んな活動を完結できてしまうんですよ。だからこそ、推薦団体さんのお力を借りて、僕たちがまだ出会えていない人に出会いたい。
木村: 支援機関の方々がソーシャルの分野に関心を持ってくださってる今だからこそ、できることですよね。一緒にオープンデーを開催したり、イベントを企画したり、色々なかたちで連携が増えてきて嬉しいです。
田中: 確かに、7年前にはこの広がり方は考えられなかったと思います。変わるもんやね。
学生もいて、老舗も若手起業家も二代目もいる
─ 事業アイデアコンテスト「SOCIAL INNOVATION Meets up KYOTO」は、どんな人に参加してほしいですか?
石井: 老若男女、幅広く!元気いっぱいで参加してもらえたらと思います。迷っている方も、とりあえず「SILKの相談会」に来てください。そこで話してみて、今回はコンテスト出場はやめておこうという結論になっても全然かまわないですし。出場するしないに関わらず、私たちにできるサポートをさせてもらいます。
田中: 事業がある程度かたちになってからでないと相談できないって思わはる方が多いんですけど、アイデアだけでも大歓迎です。「頭の中のアイデアを解き放ってみよう」ってフライヤーに書いてるし!色んな層の人が参加してくれたら嬉しいですね。学生もいて、老舗も若手起業家も二代目もいるみたいな。
木村: オーディエンスでの参加もお待ちしてます。ぜひ“推し”を探しに来てほしいです!推しの事業が増えると、生活が豊かになりますよ〜。当日は私と井上が司会をする予定なので、皆さんぜひ盛り上げに来てください!
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フライヤー(pdf)↓
SILKイノベーション・コーディネーター:石井 規雄、木村 響子、田中 慎
写真・文:柴田 明(SILK)