西京区の魅力を発信するツーリズム!その土地ならではの魅力を広げよう
「未来の西京まち結び〜みらまち結び〜」の第2回公開イベントは、カフェトーク「西京区の魅力を発信するツーリズム」。約28名の方にご参加いただき、9月下旬にも関わらずクーラーのない会場は熱気に包まれました。「『やりたいことを実現している人』が京都でイチバン多い区に!」というテーマの実現に向けて、さまざまなアクションが生まれています!
この日のゲストは福冨雅之さん。「ライフスタイルをwell-beingに」というメッセージを軸に、アパレル、アウトドア、まちづくりなど多方面で活躍されています。最初に「皆さん、僕のことはトミーと呼んでください」と笑顔で会場に呼びかけ、参加者の皆さんとの距離感をぐっと縮めてくださいました。イベントが終わる頃にはあちこちから「トミーさん」と呼ぶ声が。
京都市は、年間5,000万人を超える観光客が訪れる日本有数の観光都市です。まちとして、会社として、個人として、ツーリズムをどのように捉え、どんな価値を提供するのか、さまざまな立場から関心を持った方が会場に集まってくださいました。
人々が観光に求めるものは時代と共に変化し、どのガイドブックにも載っている名所を巡る画一化されたかたちから、さまざまな進化を遂げています。地域に根付いた文化や暮らしの体験や地元の人との交流を求める人が増え、「エコツーリズム」と呼ばれる自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のあり方も注目を集めています。観光客の好みや価値観が多様化する中で、西京区として、どんなツーリズムを提案していくことができるのでしょうか。
一般的に良いとされる条件よりも、その土地ならではの魅力を大切にする
さっそくトミーさんが、滋賀県を例にとって様々な事例を紹介してくださいました。
サイクリンツグツアーを企画し、カフェと宿を併設する湖西・高島市の自転車屋「BLUE」、自然の美しさや和の文化に触れながらアウトドアを楽しむ「和ウトドア」、湖南・守山市からびわ湖一周サイクリングを盛り上げる「輪の国びわ湖推進協議会」など。
スライドの写真や配布していただいたフライヤーを見ていくと、「おもしろそう」「行ってみたい」と思わせてくれる風景や人々の笑顔がたくさん。中でも印象的だったのが、湖北・長浜市にある「湖北の暮らし案内所 どんどん」です。
http://dondonbashi.com/
どんどんは、長浜市のまちづくり活動の一環としてキッチンスペース、イベントスペース、ワークスペースを備えて2016年にオープンしました。誰でも気軽に立ち寄れるオープンな場として、まちの人たちの交流や挑戦を支えています。
福冨: 他にもいくつか候補地があって、ここは一番反対された場所でした。細長い路地の奥にあるので「そんなところやめとき」って色んな人から言われたんです。築80年の長屋は柱が劣化していて、大雪が降ればつぶれてしまいそうな場所でした。でも、側にきれいな川が流れていて、カモが泳いでいたりクレソンが自生していたり、そんな自然豊かな場所なんです。同じものを見ても、どう解釈するか、どこに美しさを感じるかは人によって違います。ここが一番良いという自分の見立てを信じて、周りを説得しました。
一般的に良いとされる条件よりも、その土地ならではの魅力を大切にする。西京区のまちづくりを考えていく上でとても大切なことを、たくさんの事例と共に伝えていただきました。
福冨: 滋賀県は真ん中に琵琶湖があるので、湖東、湖西、湖南、湖北、それぞれに独自の文化があっておもしろいです。「ビワイチ」と呼ばれる自転車で琵琶湖を一周する道は、先日、国が定める「ナショナルサイクルルート」の候補地に選ばれました。これはサイクルツーリズムの推進による新たな観光価値の想像と地域活性を目的にした制度で、今後の審査に通れば「ビワイチ」が世界へ向けてPRされることになります。
お隣の県で続々と起こっている新しい動きを受けて、参加者の皆さんの期待と興奮が伝わってきます。
みんなが思う西京の好きなところを共有することで、見えてくるもの
イベントの後半は、参加者一人ひとりが思う「西京の好きなところ」をお互いに共有するワークショップです。
・竹
・阪急電車から見える山側の風景
・桂離宮
・オープンな雰囲気
・大原野のひまわり
・体にやさしい食
・旧と新の融合
・中村軒
・公共政策
など、次から次へとふせんが増えていきました。
「こんなにたくさんの人が西京で何かしたいと考えているなんて今まで知らなかった」
「名前は知っていたけど、そんなに素敵な場所なんですね。今日聞けてよかった!」
「皆さんが教えてくれたところを、さっそく来週から一つずつ訪ねていこうと思います」
発見と共感が入り混じり、「時間なので席を移動してくださーい」という進行役の声がなかなか後ろまで届きません。この日の会場は、江戸時代に参勤交代で往来する大名や旗本、幕府役人の宿泊所とされていた、樫原本陣・玉村家住宅。京都市唯一の本陣跡だそうです。溢れんばかりの西京区への愛情を受けて、この地の歴史を見守ってきた建物もきっと喜んでいたと思います。
福冨: 今、皆さんがたくさん西京区のいいところをあげてくれましたよね。その点と点をつなげていこう、という会話がたくさん聞こえてきました。地域にあるものと自分の好きなことを掛け算することで、新しいアイデアが生まれます。今日のこの場から新しい西京らしさ、西京文化ができていくと思います。楽しみですね!
トミーさんから力強いエールをいただき、第2回カフェトークも大盛況で幕を閉じました。トミーさん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
未来の西京まち結び〜みらまち結び〜の活動はまだまだ始まったばかり。今後もイベントの様子や動き出した企画など、随時ご報告いたします。下記のテーマにご興味のある方はぜひご参加ください!
▶︎ 記事一覧
[今後の予定]
10月25日(金) 19:00〜21:00
みらまちカフェトーク「副業×コミュニティビジネス」
11月30日(土) 13:00〜17:00
みらまちプロジェクト「やりたいことを実現するためのアイデアワークショップ」
1月13日(月祝) 14:00〜16:00
みらまちスタディツアー「先進事例を見に行こう!」
毎月1回、西京区役所で相談会を開催いたします。直近の開催は10月11日(金)、トミーさんも参加してくださいます。日程などはfacebookページにてご確認ください。
https://www.facebook.com/nishikyomiramati/
写真・文:柴田明(SILK)