SILK流!プレミアムフライデー インタビュー企画【第19回】織田真也さん | 一般社団法人Your choice
ワークとライフをバリっと分けて、余暇を充実させるのも素敵ですが、イキイキできる好きなシゴトを通して人生を充実させ、充実した人生をまたシゴトに活かしていくことで、色とりどりの社会をつくる、という生き方をSILKは応援しています。
毎月のプレミアムフライデーに「ワークライフミックス」の生き方を考えるきっかけにしてもらえたらと思い、2017年2月より毎月、インタビュー記事を掲載しています。
第19回目は、SILKフェローにご就任いただいた一般社団法人Your choice 代表 織田真也さんです。織田さんが実践している生き方・働き方とは。ぜひご一読ください。
Q: どんな仕事をされているか、簡単に教えてください
織田: 「全人類の適材適所」を掲げる、一般社団法人Your choiceというアウトソーシングの会社を経営しています。
弊社で働くメンバーの内8割は在宅勤務、または在院勤務(入院しながらの勤務)など、テレワークで仕事を進めています。そしてそれらのメンバーは子育て中、家族の介護や看護、自身の病気や障害などの理由で在宅の形態で仕事をする人、難病があり入院しながら働く人など、働き方に制限のある人が活躍しています。
アウトソースでやっている仕事は、企業様の抱えるパソコン関連の困りごとITに関する困りごとを一手に受託しています。社外IT室と呼んでもいいかもしれません。クライアントは、IT人材を確保しづらい、またはIT人材を雇うほどのIT関連業務が定常的には発生しない企業様がほとんどです。
Q: 仕事している時と普段、生活している時で、共通して大切にしていることは何ですか?
織田: 線引きをしないこと。境界を設けないことです。特に3つの境界線①「家と職場」の境界線、②「自己と他者」の境界線、③「健常者と障がい者」の境界線。これらの境界線を引かないように、曖昧な線にするように心がけています。
①「家と職場」の境界線、②「自己と他者」の境界線
織田: 私自身はシェアハウス兼シェアオフィスで、生活と仕事をしています。4階建てのビルを1棟まるごと10人で借りあげて、それをシェアし、暮らしも仕事もその中でシェアしています。3階で寝て、4階でご飯を食べて、1階で働くというような生活です。ですので、家と職場の境界も、自分とシェアメイトとの境界もあいまいな生活をしています。通勤時間は階段を降りる30秒ほどで、とっても楽ちんです。誰かが病気になったら、病院に付き添っていったりもします。これから先、子育てや介護など、家にいなければ関与できないことがらがどんどん増えます。家と職場に境界線を設けて分断しようとすると、人は分身できないので、どちらか一方をあきらめなければなりません。ですので、自分が分身するのではなく、家と職場を統合することにしました。私は、子育てや介護などをするタイミングではありませんが、他者に頼れる環境、家にいつでもアクセスできる環境であれば、子育てや介護が発生しても心強い限りです。
一緒に働いているあるメンバーは、子育てと介護と仕事を全てやりとげるために、在宅勤務や半在宅勤務を選んでいます。そうすることで、仕事か家族かの二者択一を避けることができています。これは、本連載のテーマである「ワークライフミックス」とも、通じる価値観が実現できている良い例ではないでしょうか。
③「健常者と障がい者」の境界線
織田: 一緒に働くメンバーの中には、なんらかの持病を抱えており「診断書」が出ている人や、「障害者手帳」を保有している人もいます。もちろんそういったメンバーには、その病状や障がい特性にあった配慮が必要ですが、その人達だけを線引きして、特別扱いしないようにしています。会社とは、働く個人の集合体ですが、それぞれどんな人でも多かれ少なかれ、配慮が必要です。優しい口調で話をしてもらわないと怖がってしまうという性格上のものから、子供を保育園に迎えに行かなければならないという家族の事情、難病のため入院生活が必須であり通勤できない、パニック障害の症状で高いストレスを避けなければならない。などなど、配慮の種類は様々です。今の日本社会では、「障害者雇用枠」での採用というように採用段階から境界を設けて仕事をすることが多いですが、とても違和感があるので、当社ではそのような境界線を設けていません。もちろん、仕事を離れた友人や知人などの関係もそのような境界線を設けずに生活しています。
Q: 仕事をしていて特にうれしいと思うときは?
織田: 一緒に仕事をする人、その仕事の担当者が自分の仕事に「誇り」を持っていると感じるときが特に嬉しいですね。自分がやった仕事に対して、成果物を発表するときや、納品するとき、フィードバックを受けるときに、自信ありげに、いわゆる「ドヤ顔」をしている姿を見えると、本当に嬉しい気持ちになります。
全人類の適材適所を目指しているわけですから、メンバーの適所を見つけることはできて当然ではありますが、自分がアサインした仕事が、担当者にフィットしていると実感するとき、それは何度経験しても最高に嬉しい気分になります。
Q: 仕事や人生を通じて実現したいことは何ですか?
織田: 一人でも多くの人が、自分らしいと感じる仕事、自分の生きざまを示していると思える仕事に就くことができればと思っています。仕事というのは、社会の構成点としての自分を表現する手段だと思います。ITツールの普及により、場所を限らずに働ける環境が整いつつあります。先日は難病を持つ当社のメンバーが、web会議システムを使って、京都市の市長との対談が実現しました。このように働き方の分野で、不可能だと思われていたことを可能にしていく存在でありたいと思っています。
[ SILK流!プレミアムフライデーインタビュー ]
第18回:大原直子さん 株式会社日本の窓
第17回: 北村記世実さん パレスチナ・アマル
第16回: 雪田恵子さん 特定非営利活動法人寺子屋プロジェクト
第15回: 小牧佐和子さん 学び場 とびら
第14回: 秋山怜史さん 一級建築士事務所 秋山立花 代表
第13回 :杉原惠さん SILKコンシェルジュ
第12回 :吉田大輔さん (株)津乃吉 代表
第11回 :篠原佑さん (株)フラットエージェンシー 営業
第10回 :田中雅大さん (株)ヘルプ