SILK流!プレミアムフライデー インタビュー企画【第16回】雪田恵子さん | 特定非営利活動法人寺子屋プロジェクト
ワークとライフをバリっと分けて、余暇を充実させるのも素敵ですが、イキイキできる好きなシゴトを通して人生を充実させ、充実した人生をまたシゴトに活かしていくことで、色とりどりの社会をつくる、という生き方をSILKは応援しています。
毎月のプレミアムフライデーに「ワークライフミックス」の生き方を考えるきっかけにしてもらえたらと思い、2017年2月より毎月、インタビュー記事を掲載しています。
第16回目は、これからの1000年を紡ぐ企業認定 第三回認定企業の「特定非営利活動法人寺子屋プロジェクト」が運営している「Tera school」スタッフの雪田恵子さんです。ロボット開発企業プラットフォームの事務局で働きながら、Tera schoolで活動し、最近は大学院に入学された雪田さんが、人生で実現したいこととは? ぜひご一読ください。
Q: どんな仕事をされているか、簡単に教えてください。
雪田: Tera school では、より良い学びを実現する「現代の寺子屋」のモデルづくりと展開を行なっています。近畿圏の大学を中心に、文系理系によらず学部生から大学院生までの学生スタッフが活動に参加しています。また、社会人スタッフも企業を定年退職された方や現在も会社勤めをされている方、学校教員の方など、様々な経歴を持った方が寺子屋で子どもたちとともに学んでいます。こうした多様性が、子どもたちにとっても関わるスタッフたちにとっても良い刺激を生み、参加者全員にとって豊かな学びの場を生み出していると感じています。
私は、Tera school に学生時代から関わっており、2014年の立ち上げ当初は、平日の「学び合いコース」に参加していました。現在、平日は一般社団法人i-RooBO Network Forumというロボット開発企業プラットフォームの事務局で働きながら、Tera school の土日のプログラムや組織運営をお手伝いしています。さらにこの春から大学院に通い始めました。3足の草鞋で忙しく毎日を過ごしていますが、今までの人生で1番くらい楽しいです。ひとえに所属しているすべてのコミュニティの方々が寛容に私の働き方を受け入れ、支えてくださっているおかげだと思うので、感謝してもしきれません。
特に、大学院で研究している「自己調整学習」は、Tera school で大切にしている「自分で学びをデザインすること」を理論的に補強する内容です。理論と実践を行き来しながら、子どもも大人も学びをデザインするためのプログラム開発でもさらに貢献していければと思っています。
Q: シゴトしている時と生活している時、共通して大切にしていることは何ですか?
雪田: 「一生学び続ける意欲を持つこと」を大切にしています。
仕事でもプライベートでも初めてのことにトライし、興味のアンテナに引っかかったものは「まず、やってみる」ということを意識しています。小さいことでは他のスタッフがオススメしてくれる本を読んでみること、大きなことでは大学院に進学したことやプログラミングコースに入るようになってコンピューターのプログラミングの勉強を始めたことなどがあります。
これは Tera school が大切にしていることでもあります。私たちの教室のコンセプトは「全員が学習者」です。生徒に知識を伝える先生という立場ではなく、自らも学ぶ姿勢を見せることで子どもたちの意欲を高める「一歩先を歩む先輩」として関わっています。学校や塾では大人は指導者として上に立つことが多い中、Tera school ではスタッフも同じ学習者として、少し先輩のお兄さんお姉さんという立ち位置で関わり、学び合っています。子どもたちはもちろん、学生・社会人スタッフも含め、幅広い世代、さまざまな価値観を持つ人と関わることに刺激を受ける毎日です。
Q: 仕事をしていて特にうれしいと思うときは?
雪田: 第3の居場所として Tera school があること。
嬉しいと感じる場面はたくさんあるのですが、一つ挙げるとすると「第3の居場所として Tera school があること」です。これは、私自身に第3の居場所があるということももちろんですが、子どもたちや他のスタッフがそう思ってくれていたことを知った時は、とても嬉しかったですし、やっていてよかったなと思います。私自身が子ども時代にそうだったように、学校と家庭以外にコミュニティがないと「学校が世界のすべて」だと感じてしまい、しんどくなってしまうこともあると思います。学校(あるいは職場)や家庭でしんどさを感じているときに、ありのままの自分でいられる場所が Tera school だといいなと思います。
Q: 仕事や人生を通じて実現したいことは何ですか?
雪田: 全国に「現代の寺子屋」モデルを広めたい。
私は、まず地元の青森に Tera school を開きたいなと思っています。個人的なことなのですが、大学進学を機に青森から京都に出てきた時、地方と都会のギャップに18歳ながら驚きました。都会はさまざまな年齢の人がふれ合う機会であったり、情報の量、学生の多さなどの面で圧倒的に恵まれていて、地方に住んでいるだけで物理的な距離により遅れを取ってしまうのはもったいないなと感じました。そのため「現代の寺子屋」モデルを全国に広げたいなと思っています。そして Tera school があることで第3の居場所ができたと思ってくれる人たちが全国各地にたくさん出てきてほしいです。
また、大学院で研究を始めたことも社会に還元できればと思っています。具体的には「子どもも大人も学びをデザインするためのプログラム」の開発を通して社会に役立つものを創り出したいです。それが全国に広がった Tera school で活用されたら嬉しいですね。
[ SILK流!プレミアムフライデーインタビュー ]
第15回: 小牧佐和子さん 学び場 とびら
第14回: 秋山怜史さん 一級建築士事務所 秋山立花 代表
第13回 :杉原惠さん SILKコンシェルジュ
第12回 :吉田大輔さん (株)津乃吉 代表
第11回 :篠原佑さん (株)フラットエージェンシー 営業
第10回 :田中雅大さん (株)ヘルプ
第7回 :粟坂太蔵さん 株式会社食一
第6回 :ヒトミトモコさん (有)シサム工房
第5回 :奥村咲華さん Dari K(株)