SILK流!プレミアムフライデー インタビュー企画【第14回】 秋山怜史さん│一級建築士事務所 秋山立花 代表

ワークとライフをバリっと分けて、余暇を充実させるのも素敵ですが、イキイキできる好きなシゴトを通して人生を充実させ、充実した人生をまたシゴトに活かしていくことで、色とりどりの社会をつくる、という生き方をSILKは応援しています。

毎月のプレミアムフライデーに「ワークライフミックス」の生き方を考えるきっかけにしてもらえたらと思い、2017年2月より毎月、インタビュー記事を掲載しています。

第14回目は、日本で初めて、シングルマザー専用シェアハウスをつくられた、一級建築士事務所秋山立花代表の秋山怜史さんです。建築を通して、社会に多様な選択肢を提示するをミッションに、幅広いご活躍をされているだけではなく、スタッフの働き方改革にも随分前から取り組んでおられます。是非、ご一読ください。

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Q: どんな仕事をされているか、簡単に教えてください

秋山: 「社会と人生に新しい選択肢を提案する」という理念を掲げて、一級建築士事務所秋山立花という名前の建築設計事務所を営んでいます。僕たちは社会や生活をより豊かにしたいと思っています。豊かさとは何かという答えはたくさんあると思うのですが、僕たちの考える豊かさとは、自分の意思で選ぶ事ができる選択肢が多いということでした。社会には様々な課題があって、十分と言える選択肢が用意されていないことが多いと感じています。なので、秋山立花はひとつでも多くの選択肢をこの世に生み出す事務所になろう、と考えました。
今まで僕たちは、日本で初めての事例となったシングルマザー専用シェアハウスの企画を皮切りに、都市の墓地不足や商店街のシャッター化の課題などに取り組んできました。その中で僕たちの根幹にあることは、いかに「地域」を育てて行くかということです。
生まれる前から亡くなる時まで、暮らしやすい、住みやすい地域をいかに増やして行くことができるか。そのために必要な選択肢はなんなのか。それをいつも考えています。
もちろん建築設計事務所なので、住宅をはじめ、集合住宅や保育園、商業ビルなど、多くの設計を手掛けさせていただいています。そして、建築の仕事をすればするほど、新しい選択肢を生み出すために建築ができること、担う役割はとても大きいなと感じています。

プレミアムフライデー企画ということなので、秋山立花の働き方も少しご紹介します。
秋山立花は僕を含めて4人のスタッフと2人の非常勤スタッフの計6名で活動をしています。建築設計事務所というと、どこも長時間労働が当たり前になってしまっていますが、うちのスタッフの1日の平均勤務時間は7時間。スタッフのうち2人はまだ小さなお子さんがいる家庭なので、夕方の4時、5時になると保育園のお迎えで帰らなくてはいけません。必然的に勤務時間は少なくなります。そこで、働き方の仕組みづくりとテクノロジーを駆使して、業務の効率化を常にはかることで、短時間でもしっかりと結果を出せるようにしています。3年前と比べると、同じ作業をするのにかかる時間は1/3ほどに。最終的には1/5くらいまでにしたいなと考えています。また、場所を選ばずどこでも働けるようにしたことで、スタッフが働いている場所は、京都、横浜、鳥取とそれぞれバラバラ。旦那さんの転勤があっても秋山立花で働き続けることができます。鳥取のスタッフは最初横浜に居たのですが、そこから札幌に行き、今年の異動で鳥取に行くことになってしまいました。それでも「なかなか事務所のあるところに異動しませんねぇ」と冗談を言いながら普通に働くことができています。

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Q: シゴトしている時と生活している時、共通して大切にしていることは何ですか?

秋山: 「感謝」ですね。
仕事もそうですし、普段の生活もそうですが、いつもいろんな方に助けられて成り立っています。本当にありがたいなぁと思います。僕ひとりでは出来ることって本当に少ない。仕事で言えば、僕たちに仕事を頼んでくれる方がいて、一緒に仕事をしてくれるスタッフや協力業者の方がいて、一つの建物、一つの仕組みをつくるのに、多くの方達が携っています。そのひとつひとつのご縁やご協力がなければ何もできない。
日常でもそうです。ひとつひとつの出来事に感謝する。些細なことでもいいのです。たまたま車窓から素敵な風景を見ることができたとか、妻が朝ごはんの準備を変わってくれたとか。自分の中で小さな感謝を積み重ねて行くと、また新しい感謝に出会えます。そうすると自分の人生「ありがとう」って言えることばかりだなってなる。それはとても幸福なことだと思います。

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Q: 仕事をしていて特にうれしいと思うときは?

秋山: ややこしいかもしれませんが「嬉しい」にはいろんな種類があると思っていて、仕事をしていると、多様な嬉しさに出会いますよね。どれかひとつが特別というよりも、そうした様々な「嬉しい」に出会えるのが嬉しい。
やっぱりややこしいですね。例えば、僕たちに家の設計を頼んでくれた方からお住まいになられた後、「本当にこの家は居心地がいい」と幸せそうに語っていただけている姿を見ると、建築という仕事をやっていて本当に良かったなという嬉しさがこみ上げてきます。店舗の設計をさせていただいた方から、「お店にくる方が「かっこいい!」と言ってくれて売上も順調に伸びている」と聞くと晴れやかな嬉しさがこみあげてくる。いろんなご縁が繋がっていく様を目の当たりにすると、鳥肌が立つような嬉しさがあります。多くの方達と携わった仕組みづくりが動き出した時はまた違う嬉しさがありますし、建築の設計をまさにしている時の嬉しさもあります。どれも少しずつ違う喜びであり、そうした喜びに触れる機会が多いということはとても嬉しいことですね。

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Q: 仕事や人生を通じて実現したいことは何ですか?

秋山: 事務所の理念そのままですが、ひとつでも多くの選択肢を生み出すことです。心の底から望んでいます。選択肢が増えることは本当に素晴らしいことです。今までできなかったことや諦めていたこと、解決できなかったこと。選択肢が増えることによって、できるようになり、諦めなくてすみ、解決できる。豊かさとはそういうことだと思うのです。
仕事の場であっても、日常の生活の場であっても、一つでも多くの選択肢をこれからも生み出していきたいと思っています。

 


[ SILK流!プレミアムフライデーインタビュー ]

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第13回 :杉原惠さん SILKコンシェルジュ

第12回 :吉田大輔さん (株)津乃吉 代表

第11回 :篠原佑さん (株)フラットエージェンシー 営業

第10回 :田中雅大さん (株)ヘルプ

第9回 :米沢和也さん (株)アラキ工務店 現場監督

第8回 :小田起世和さん 認定NPO法人テラ・ルネッサンス

第7回 :粟坂太蔵さん 株式会社食一

第6回 :ヒトミトモコさん (有)シサム工房

第5回 :奥村咲華さん Dari K(株)

第4回 :益田晴子さん (株)IKEUCHI ORGANIC 店長

秋山怜史

秋山怜史

一級建築士事務所 秋山立花 代表