【SILK流!プレミアムフライデー企画】インタビュー:山中はるな(SILK)

ワークとライフをバリっと分けて、余暇を充実させるのも素敵ですが、イキイキできる好きなシゴトを通して人生を充実させ、充実した人生をまたシゴトに活かしていくことで、色とりどりの社会をつくる、という生き方をSILKは応援しています。

毎月のプレミアムフライデーに「ワークライフミックス」の生き方を考えるきっかけにしてもらえたらと思い、今月から毎月、インタビュー記事を掲載します。

第一回目は、この企画の運営を行っている、当研究所のイノベーション・コーディネーターの山中はるなです。どんな想いからこの企画がスタートしたのかにも触れていますので、ぜひお読みください!

<企画主旨はこちらから>

Q: どんな仕事をされているか、簡単に教えてください

山中: 京都市ソーシャルイノベーション研究所で「イノベーション・コーディネーター」という肩書きで勤務しています。自分自身では「イノベーション・キュレーター」だと思っています。
イノベーション・キュレーターって、あまり聞きなれない言葉だと思いますが、社会を変える兆しを見つけ出すという役割です。
昨今ではアウトドアブランドのパタゴニアのように、企業活動から社会を変える動きが生まれています。私は、特に社会を良くしていこうと取り組んでいる企業を見つけ出し、彼らが実現したい未来を形にするお手伝いをしています。
社会を変える兆しを見つけ出すには、私の生き方や哲学がとっても重要と思いますし、私自身もどんな未来を築きたいかということを日々考えています。社会を変えようと挑戦し続けている方々が「一緒に仕事したい」と思っていただけるコーディネーターで有り続けたいと思っています。

Q: シゴトしている時と生活している時、共通して大切にしてることは何ですか?

山中: 仕事とプライベートの間で、価値基準を分けないように心がけています。

うちの研究所に昨年の4月に入った時、所長に「仕事と人生をわけるな」と言われました。とんだブラック企業に入ってしまったのかと戸惑ったこともありましたが(笑)、今では分かります。

四六時中ずっと経営の事を考えてるという経営者の方は多いと思いますが、特に私が関わる「社会起業家」の皆さんは、社会の問題を自分とは関係ないと切り離さず、自分事として解決に取り組もうとされておられます。それゆえ必然的に、自分と仕事と社会とが分断せず、つながっています。私も、仕事だから割り切って何かをする事もありますが、目指すゴールと生み出したいインパクトを常に意識して、その為の手段としてこの仕事を行うということを意識的に心がけています。そのゴールが自分事で考えられない場合は、その企画をやらない、担当をしない、という暗黙のルールがSILKにはあります。スタッフの意思が尊重されている、自己実現の場と言えるかと思います。まぁ、それは逆に、忙しくても、企画がやりたいことと合致したらやる!というルールもあるので、この企画は先週木曜日にアイデアが出てから準備をスタートしました(笑)。

そのプロセスを辿っていますので、「仕事だからやりたくない事もやらなきゃならない」という結果にはなりません。もちろん面倒だなと思う作業もありますが、ゴール感覚、ミッション感覚を持って仕事をすると、主体的に動くことができます。

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これからの1000年を紡ぐ企業認定 第一回認定授与式

Q: 仕事をしていて特にうれしいと思うときは?

山中: 私がほれ込んでいる企業さんの価値が広まった!と思った時です。

私は「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の運営をしていますが、2016年4月に第一回認定企業が発表され、今年は6社のサポートを行いましたが、それによって、企業の価値が多くの方に伝わった時、とても大きな喜びを感じます。6社とも本当に素晴らしい組織ですので、私自身が大ファンでもあります。好きなものを人に勧めて、気に入ってもらえたらとっても嬉しいですよね?その感覚と同じです。

また、ソーシャル・イノベーションの支援者を育成する「イノベーション・キュレーター塾」を運営しています。この塾では、自らのルーツを見つめ直すことからはじめ、社会を変えていくための革新的な手法を考えていきます。必ずといっていいほど受講者の思考と行動に大きな変化が生まれるカリキュラムとなっているため、みなさんは毎回厳しい表情で受講されています。しかし、最終日には、晴れ晴れとした笑顔になり、新しい未来に向けて挑戦しようという意欲に満ち溢れている。この瞬間を見るために仕事をしていたんだなという想いでいっぱいになります。

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イノベーション・コーディネーター塾一期生の卒塾式

Q: 仕事や人生を通じて実現したいことは何ですか?

山中: 私のルーツは女性問題にありますが、究極的には全ての人々が違和感なく自分らしく生きることができる社会を実現したいと思っています。女性、障がい者、LGBTといった「1つの問題」だけに固執すると解決の糸口が見えにくくなりますし、それぞれの課題が衝突することもあります。
京都での活動を支援させていただいているNPO法人FDAさんでは「30大雇用」に取り組んでおられます。障害者やひきこもり、さらにはホームレスや犯罪歴のある方など生き辛さや働き辛さを抱えている方々を横断的に支援されています。そうすることで、課題を抱えていない方々にとっても生きやすく、働きやすい社会を実現することになるからです。

日本は”平和”ですし、海外に行くと日本は恵まれていると思いますが、みんな不安を抱えて生きている気がします。それを希望と安心に変えられる仕組みを作りたいと思っています。そのためには社会課題を俯瞰することが大切だと思います。

幸い、私の仕事はたくさんの経営者の方にお会いでき、事例にも触れられます。こんな恵まれた環境めったにないと思いますので、自分の力を仕事を通して社会に還元しつつ、新たな力をもらいながら、自分の事業も考えていけたらと思います。